プレスリリース  

ハードメーカーのあせり「Only on」戦略

2003/05/19
   
 
 ロサンゼルス コンベンションセンターで行われたE3。そのイベント開催を前にハードメーカーを中心に、カンファレンスという形式で事前発表を行うのが恒例行事としてある。カンファレンスでは新規タイトルやハードの発表など様々だが、どれもそのメーカーを勢いづかせるものである。しかしその様相はメーカーによって全く異なっている。

 コンシューマのハードメーカーである任天堂、ソニー・コンピュータエンタテイメントは前日である13日(火)、そしてマイクロソフトは一歩早く前々日12日(月)に開催した。



お祭り騒ぎで盛り上がるXbox



 12日(月)の夜、コンサート会場のようなホールで行ったマイクロソフト Xboxカンファレンス。会場は世界中から集まったプレス及び、ゲームメーカー関連であふれ返り、本物のロックコンサートが始まるのではと思うほどの盛り上がり。

 カンファレンスというより、ファン感謝祭的なノリで会は始まり、まずXboxLiveの展開についての発表から行われた。次の新規タイトルの発表で、『DOOM3』や『HALO2』の名が告げられると、会場の雰囲気は沸点に達し、口笛や拍手が沸き起こった。

 『DOOM3』は映像のみであったが、『HALO2』は実際のプレイによるプレゼンが行われ、『HALO』人気が高い欧米系の参加者には、強烈なアピールとなった。その後も全世界50万人のユーザーを獲得したと発表されるXboxLive対応のソフトや、関連サービスである音楽・映像編集ソフトMusic Mixerの発表。新しい遊び方の提案としてXSN Sportsと呼ばれるPDAでも結果を見ることができるスポーツシミュレーションシリーズ作など、「これから」を期待させる内容となっていた。



勝者の余裕?磐石を意識させるSCE



 13日(火)の朝にカンファレンスを行ったのは、ソニー・コンピュータエンタテイメント アメリカ。会の進め方は、ここ数年変わっておらず、司会及び進行を担当した、最高経営責任者カズオ・ヒライ氏の独壇場といった風。最初に勝利宣言である他ハードとの比較。ハードの販売台数や、市場シェア率などを数字で証明した。そしてサードパーティと一緒に行う新展開(オンラインタイトルのテコ入れ)を発表。エレクトロニック・アーツ社がリリースする「EAスポーツ」タイトルをオンラインチャットを交わしながら、プレイするということを、マルチタレントのセドリック氏とプロゴルファー・タイガー・ウッズ氏とのオンライン対決で面白おかしく見せていた。そして期待の『GT4』のタイトル発表のあと、目玉として新ハード、携帯ゲーム機「PSP」を久夛良木 健氏から発表した。

 次々発表される内容にかなり盛り上がったカンファレンスであったが、Xboxのそれと違いお祭り騒ぎではなく、解答たるマスコミ・業界関係者は、まるで王からの詔(みことのり)を受けて、喜ぶ市民のような図であった。



次の手が打てず慌てる任天堂



 SCEと日を同じくして行った任天堂。ゲームボーイアドバンス、及びSPの世界的好調さとは裏腹に、ゲームキューブに対する息切れ感がかなり色濃く写った。いまや広告塔となっている宮本 茂氏の登壇と、彼から紹介されるサードパーティメーカーの新作発表。そして掲げるスローガンは、GCとGBAを結ぶ「コネクティビティ」。じつはこれも目新しさが無く、例年一番盛り上がっていた任天堂のE3前カンファレンスとは、ほど遠いものとなっていた。

 開発者自らを招き、発表されたタイトルが『シムズ』の新作、『パックマン』『メタルギア』の3作品。たしかになかなかのタイトルではあるが、会場に集まった多くのプレス関係者は、宮本 茂氏の手がける新しい「遊び」を欲しており、サードパーティに大事な発表の場を預けてしまった任天堂に対し、ある種失望感が漂っていた。

 会が終りに近づき、質疑応答が始まると、一斉に会場から人が立ちはじめ、最後の挨拶として社長である岩田氏の「任天堂は必ず勝ちます」という言葉が、少なくなった会場で空しく響いていた。



同じスローガンを掲げるハードメーカー



 三社三様のカンファレンスを行ってはいるが、なぜか3社とも共通した戦略として「Only On」を謳っていた。マイクロソフトが最初に始めたこの戦略、「このゲームをプレイするためには、このハードしか遊べない」といった内容。

 以前までソフトメーカーは、マルチなプラットホームにソフトを供給していくのを目指していたが、ハードメーカーの方が顧客獲得のため、ソフトを縛ることをはじめてしまった。
 ゲームが売れなくなったと言われ始め、その実情がかなり深刻的な問題となっている現状。「我がハードが生き残れば・・・」という我田引水を行っていては、ユーザーという湖は、枯渇していく一方ではないだろうか。

 いま何が、ユーザーから求められているのかという、ユーザー視点が今のハードメーカーには欠けていると強く感じた。


 
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