桜井淳所長から東大大学院人文社会系研究科のH先生への質問 -神学研究の方法 2-
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ゼミで利用している教えていただいたマイモニデスの英語版(ペーパーバックク)のテキストの価格は、丸善で調べていただいたところによりますと、意外と安く、3085円でしたので、すぐに注文いたしました。1ヵ月間で入荷するそうですので、3月に読みことができ、4月からの新年度からのゼミに利用することができそうです。
神学研究の中心は、ヘブライ語で書かれた46冊の旧約聖書(預言者のモーセをとおしてイスラエルの民に与えられた神の救いの契約・約束に基づくもの、神はヤハウェ)(ユダヤ教)と27冊の新約聖書(神の子イエスをとおしてもたらされたひとびとに対する神の救いの契約・約束を示すもの)(キリスト教、神はキリスト、なおキリスト教では旧約聖書をイエスの救いを証明す預言書と位置づけるに留めていますが、旧約聖書は、紀元前12世紀から紀元前2世紀の半ばにいたる約1000年に書かれ、その主な内容は、天地万物の起源(「創世記」にはアダム(ヘブライ語で"土"とか"人間"の意)とイブ(ヘブライ語で"生きる者"の意)が記されています)、そして、人間の系譜に基づくアブラハムの子孫であり、かつ、神の民であるイスラエル民族と神の歴史的で出会いの数々を集大成したもの)の史的研究と聖書解釈学研究となります。察するに、旧約聖書と新約聖書に関係したユダヤ教が最も根源的な神学なのでしょう。
さらに、比較宗教学研究のため、古い順に、主な神学と宗教であるヒンドゥー教(紀元前の約20世紀から10世紀にインドで発展し、その宗派を大別すると、ヴィシュヌ神(東大法文二号館3階の廊下に石像が置いてあります)を主神とするヴィシュヌ神派とその一支流をなすシャクティ派、シヴァ神を主神とするシヴァ派に分けられます)、仏教(紀元前約5世紀にインドで釈尊によって起こされた人々に対する救済の教え)、イスラーム教(紀元約7世紀にアラビア半島で預言者のムハンマドによって起こされた古代と中世を結ぶ教え、神はアッラー)の研究が欠かせず、研究に利用できるそれらの教科書を早急にそろえねばなりません。
聖書の解読のためにヘブライ語とギリシャ語、プラトンの哲学書の解読のためにギリシャ語が必要であり、来年4月からのゼミに間に合うように勉強しておきます。
桜井淳