Print this Post Article Lists Back

戦力比較:エアクッション艇、数では北が有利(下)

 しかしエアクッション艇が海岸に近い干潟に入り込んだ場合、韓国の艦艇がこれを追跡し撃沈することは困難になる。また、北朝鮮の海岸砲の射程距離に収まっている、海岸から20キロ以内の沿岸に沿ってエアクッション艇が移動する場合も、海岸砲から撃たれる危険があるため攻撃することが難しくなる。このため、「エアクッション艇キラー」として登場するのが在韓米軍のAH64アパッチ攻撃ヘリだ。

 アパッチ・ヘリは、射程距離が約10キロに達する「ヘルファイア」ミサイル16発や、旧型の戦車まで撃破できるよう開発された口径30ミリの機関砲、ロケット弾などで武装できる。夜に干潟の上をジグザグに動き侵入するエアクッション艇を捕捉するのに、とりわけ効果的だ。

 北朝鮮のエアクッション艇対策に苦心した在韓米軍は、96年10月に実施された「フォール・イーグル」演習で、エアクッション艇などを使用し海上から侵入する北朝鮮特殊部隊への攻撃にアパッチ・ヘリを投入する実験を初めて行った。その後、結果が良好だったことを受け、アパッチ部隊を「エアクッション艇狩り」に投入することを決定した。

 在韓米軍は有事の際、戦争勃発初期にアパッチ・ヘリ1個ないし2個大隊(24‐48機)を北朝鮮特殊部隊の海上侵入阻止作戦に投入する計画だった。しかし2000年代に入り、この任務を韓国軍に移し、3個大隊あった在韓米軍アパッチ・ヘリ部隊が2個大隊に減った。さらに今年3月には1個大隊に減らされ、これにより現在では海上侵入する北朝鮮軍特殊部隊の阻止任務は韓国軍が本格的に引き受けることになった。韓国軍当局は、国産の軽攻撃機KA1をこの任務に投入する計画だが、アパッチに比べると能力がはるかに劣るため、アパッチ投入の必要性が提起されている。

 韓国軍は、独島艦に搭載している国産のエアクッション艇LSF2級と、ロシア向け経済借款の償還で導入したロシア製エアクッション艇ミレナ級を有している。また、海洋警察はエアクッション艇「グリフォン」を有している。しかし、その数は5隻程度に過ぎず、北朝鮮に比べ大幅に少ない水準にとどまっている。

ユ・ヨンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る