アンチナショナリズム宣言

一言メッセージ :ナショナリズム?んなものいらん。おれは国家の奴隷じゃない。

  • お気に入りブログに登録

安全保障

[ リスト ]

転載 "笠井一朗 現在進行形の植民地主義に抵抗する道筋を探る"1/3

AMLの笠井一朗氏の投稿を転載しました。

------- ここから --------

笠井一朗20070723現在進行形の植民地主義に抵抗する道筋を探る
http://homepage1.nifty.com/KASAI-CHAPPUIS/LiteraryMedley2007.htm#KASAIIchiro20070723

 6月16日に札幌で行われた「第3回反植民地主義フォーラム」に出席しまし
た。本稿はその報告書として書こうとしたものですが、その後、牧草刈り等の農
作業に追われ、フォーラムの感想をまとめようとしているうちに、いつの間にか

論説のようになってしまいました。仕事の合間合間を縫って書いたので、語調や
論旨など、やや支離滅裂の感が否めません。また説明が言葉足らずで、フォーラ
ム出席者でないと理解しづらい箇所が多々あろうかと思いますが、一切、ご容赦
下さい。AML(メーリングリスト)には、御前会議でポツダム宣言の受諾が決
定されて詔勅が発せられた今日14日、つまり国内的にみて敗戦を正式に決定し
た日、この日をもって投稿します。稚拙な文章なので言いづらいのですが、転載
歓迎です。

(一部省略 e-h) 
--------------------------------------------------------
     目  次
1、現在進行形の植民地主義
2、植民地主義遂行に必要なプロパガンダ
3、植民地主義遂行プロパガンダを支えるもの
4、なぜ日本民衆は天皇(制)を支持しつづけることができるのか
5、土井敏邦さんの話を聞いて
  参考資料


---------------------------------------------------------
1、現在進行形の植民地主義

 「現在進行形の植民地主義に抵抗する道筋を探る」はフォーラムのリーフレッ
トから拝借しました。「現在進行形の植民地主義」にこそ現代の平和問題の要が
あります。この点をきちんと把握理解しない限り、どのような平和運動を展開し
ようとも、実質的な成果は得られないでしょう。

 「植民地主義」というと太平洋戦争までの世界史で終わったのではないかと考
える方も多いのではないでしょうか。本当は終わっていなければならなかったは
ずのものですが、実は、現在進行形であるという認識を持つべきだと思います。
図らずも、石破茂当時防衛庁長官が2003年11月23日のTV番組サンデープロジェ
クトで言ったように「世界中33カ国が皆、自国の国民の命を懸けてやっている時
に、『日本人だけは行きません。イラク復興は世界の皆さんやって下さい。立派
に復興したら石油は日本に優先的に下さい』、そういうことが国際社会に通用す
るなら、そういう(派遣しない)議論もいいでしょう。自由と民主主義を正面か
ら否定する勢力に対して、日本は何もしない、日本人だけ守られればいいという
ことで通りますか」と、あからさまに植民地主義を地で行く論調に走ってはいけ
ないのですが、その路線を突っ走っているのが、自公連立の、小泉政権に続く安
倍政権です。

 先日6月30日、久間防衛大臣の原爆しょうがない発言がもとで、辞任しても
へこたれない久間章生議員ですが、彼や、右傾化した自民党議員連中の無意識の
うちにある心理は、「勝てば官軍」「歴史上、戦勝国の戦争犯罪は問われたこと
がない」「米国なぞはベトナムから敗退したのに戦後賠償はしていない」・・・
「従軍慰安婦は職業娼婦だった」「南京大虐殺は嘘っぱち」「強制連行は強制で
はなかった」「集団自決は住民の自発的な行動だった」などなどが、頭の内部の
方で、しっかり根付いているのではないでしょうか。百人切りの自慢話や731
部隊の実態、三光作戦や、南方戦線がマラリヤでどうなろうと、ましてや「犯し
て殺して喰った」など夢のまた夢、すべてが、しょうがないしょうがないで済ま
せても、カルト政党と手を組んで、尚、余りある勝利の美酒に酔いしれるユーフ
ォリア状態にあるのでしょう。


------------------------------------------------------------------------
2、植民地主義遂行に必要なプロパガンダ

 自公連立の演じた強行採決、いわゆる「不正常な採決」(野党が同意しないま
ま行われる採決)の数は過去5年間で計11回、今国会だけで14回にもなるの
だそうです。民主主義を実現する一手段でしかない多数決という手法、それを伝
家の宝刀のごとく振り回し、多数決原理主義を悪びれることもありません。小選
挙区の悪弊もそっちのけで小沢一郎民主党代表は「このままは日本が危ない」な
どと二大政党制を演出するに余念がない様子です。民主党が2005年8月に発表し
たマニフェスト(31頁)にある衆議院比例定数を180から80に減らす公約
は、2007政策リスト(3頁)でも生きています。ちょっと脱線してしまいま
したが、私は、最近、やけに愚痴っぽくなりまして、政治のことを考え始めると

もう厭世気分に苛まれる位に鬱なのです。

 文章が散漫になって済みません。まず第一に言いたいことは、「民主主義にお
いて多数決はあくまで民主主義を実現する手段のひとつでしかないこと」、その
ためにいくつかの前提が必須です。なかでも個の確立が重要ですが、主義とも言
えぬ利己主義を個人主義と区別が出来ない人方が大半を占める日本社会では、こ
の大前提が成立していません。また、人治国家の対義語として法治国家があると

その昔、社会科の授業で勉強した記憶がうろ覚えにあります。しかしながら、そ
の法も、人が決めることに変わりありません。違憲判断を不問にしても、尚、平
然としている最高裁や、その司法消極主義を擁護する憲法学会、明確性の原則を
要求される法律文を明かに逸脱するような条文が立法化できてしまう、たとえば

国民投票法の罰則を規定する箇所=第八節第百九条なども、法曹界が理に基づい
て活動していない証でしょう。

 やはり、裏に国家権力の意図があるからです。国旗国歌法が制定されるに当た
って、小渕当時総理大臣は強制はしないと確約しましたが、教育委員会経由で来
る指導要綱などには、罰則を伴った強制が行われているのは、裁判論争にもなっ
ている周知の事実です。昨年末、強行採決された改定教育基本法について、伊吹
文科相は、基本法に基づいて制定される学校法など関連下位法に基づいてなされ
る行政指導は介入に当たらない、なぜなら国会で正当に立法化された法律に基づ
く行為を「介入」と称するのはどういうものか、と国会答弁でも明言しています

このように、今日のようにあまりに論理的思考がないがしろにされ、容易に全体
主義的な方向に流されていくのは、強権をたえず確保しておきたい植民地主義政
策を採る国の望むところです。意図されているのです。

 そのような中、左翼平和主義者が「9条は世界の宝」「9条を世界に広げよう

とシュプレヒコールを繰り返しても、(私自身、そのシュプレヒコールをするメ
ンバーの一人ではありますが、)商品の広告によく書いてある「写真はイメージ
です」のようなものです。イメージの元々の英語の意味を考えると、イメージと
いうよりもイルージョン(実物とは違うもの・幻想)といった方が正しいとは思
いますが、それはさておいて、日本の平和運動で問題なのは日本人の思考パター
ンにあると思います。つまり、1)論理的思考をしない、2)情緒過多、3)先
入観にとらわれやすい、4)長いものに巻かれる、5)出る杭を打つ、などなど

いずれも論理的思考の欠如に帰結されると思います。AML14131で、新八子
20070529さんが投稿なさったシンポジウム出席報告によれば、「いま進行中の大
学改革の中で、哲学という研究領域がどんどん追いつめられつつあり、下手をす
ると、学問領域として近い将来消滅してしまうかもしれない」との事ですが、こ
れでは暗闇行きが加速されるのは間違いないことです。

 また、北朝鮮民主主義人民共和国バッシングは、私の理解を超えています。講
和条約を結んでおらず、国交もない、戦争当事国相手側に対し、慰安婦問題や強
制連行問題などをすべて蹴ちらかし、拉致被害だけを声高に叫び、経済制裁をす
る日本政府の在り方も非常識ですが、横田早紀江氏の「戦争が出来なければせめ
て経済制裁を」「いよいよクライマックス」など、早紀江氏は、めぐみちゃんが
「死んでしまっている」あるいは「北の工作員として活躍しており日本に帰るこ
とが思想的政治的に出来ない」とでも考えているのでしょうか? もしそうでな
いなら、日本政府に対して「敵視政策を止めて、さっさと国交を樹立せよ」と叫
ぶのが筋ではないでしょうか? 少なくとも、他の生存中の拉致被害者の立場を
より危うくするだけではないでしょうか? ちょうど、イラクで香田証生君が拘
束されたときに「自衛隊は撤退しない。テロには屈しない」と言下に死刑宣告し
た小泉前首相を連想させます。おまけに日本社会は彼のご両親をマスコミカメラ
に対して「申し訳なかった」と謝らせたのです。なんと冷徹無血な社会ではあり
ませんか、日本という社会は。それでも自慰史観に浸っていたいのであれば、そ
れはもう病気です。

 話を植民地主義に関連させるもので、ひとつ思い出したことがあります。数年
前、イラクに対する米軍の軍事侵攻が始まって数ヶ月後、地元の寄り合いの飲ん
だ席で出した話ですが、太平洋戦争時の特攻攻撃とイスラム武装組織の自爆ゲリ
ラ攻撃を比較するといった話題をしたことがありました。自発性においては、イ
スラム武装組織の方が余程自発的なのではないか、と話を振ってみたのですが、
集まりの主だった意見は、特攻攻撃は本土防衛の為やむを得なっかったが、イス
ラム武装組織は宗教に洗脳された危険な人方、といった認識を共有しているよう
に見受けられました。明治以降、天皇陛下を元帥として軍服を纏わせ、西洋に追
いつき追い越せで、植民地主義をひた走りに走ってきた日本。近衛上奏文も空し
く、本土空襲で犠牲となる国民の命が一人でも多く助かるためと言われれば、皇
国教育を受けた者であってはイヤとは言えぬ状況であったのは想像に難くありま
せん。「強制でないように・・・」とは、まさに植民地主義政権の最高責任者?
として、当を得た名台詞です。このことを踏まえてだか、国民保護法の第4条2
項には「強制があってはならない」という文言が収められていますが、強制され
ないから拒否できるかとなると、現実には別問題なのは、国旗国歌法の場合と同
様です。

 はたまた、イスラム武装組織の自爆攻撃はジハードの一形態だと冷徹に言い放
つことは出来るのでしょうが、まず持って留意すべきは、片や、植民地主義のな
れの果て、もう一方は、民族の誇りを賭けた最後の選択肢、と見ることが出来る
のではないでしょうか。米軍による民族虐殺に対抗し、民族自決権を護るため、
イラクでは、非力な武力でありながらも、闘わざるを得ない現状があるのです。
「対テロ戦争」とか「暴力の連鎖」とかは侵略ならびに略奪搾取する側のプロパ
ガンダレトリックです。

閉じる コメント(0)

コメント投稿
名前パスワードブログ
投稿

閉じる トラックバック(0)

トラックバックされた記事

トラックバックされている記事がありません。

トラックバック先の記事

  • トラックバック先の記事がありません。

.
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

ele**ric_*eel
人気度

ヘルプ

  • My Yahoo!に追加
  • RSS
  • RSSとは?
  今日 全体
訪問者 2 10943
ファン 0 1
コメント 0 86
トラックバック 1 12

開設日: 2007/1/4(木)


プライバシーの考え方 -  利用規約 -  ガイドライン -  ご質問・お問い合わせ

Copyright (C) 2009 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.