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政府、初めて「上場不動産投信」再編呼びかけへ
国土交通省と金融庁は、金融危機で異常な安値が続く「Jリート(上場不動産投資信託)」について、投資家の信頼を回復するため、運用を行う投資法人同士の合併・再編を促す方針を固めた。国交省が発足させた有識者会議が10日にまとめる中間報告に再編促進を明記する。
Jリートは平成13年に初登場し、現在は41のリートが上場している。当初は優良物件の組み入れで運用利回りが好調に推移し、人気を集めた。しかし、昨夏の米国発の金融危機以降、国内の不動産市況が急激に悪化し昨年10月には破(は)綻(たん)に追い込まれるリートが出た。
このため、両省庁では合併によって財務体質や信用力を高めることで、これ以上破綻するリートが増えることを防ぎ、投資家を保護したい考えだ。
中間報告では、投資家保護が徹底できず、対象不動産の売却で市場縮小が懸念される「非上場化」や「清算」よりも、多額の資金が不要な「合併」を進めるべきだと指摘する。
有識者会議は今年4月に最終報告書をまとめる予定で、国交省では「再編のためのガイドラインと位置づけたい」としている。
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Jリート 日本版の不動産投資信託。投資家から広く資金を集め、賃貸オフィスビルやマンションなどを取得し、家賃収入や物件の転売などで得られた収益を投資家に分配する仕組み。運用を行う投資法人が東京証券取引所などに上場しており、一般企業の株式と同様に市場価格で自由に取引できる。