「安い」「近い」に人気集中 卒業旅行出足は堅調

旅行代理店に並ぶ卒業旅行のパンフレット=仙台市青葉区、JTB東北仙台支店
 消費の冷え込みで海外旅行需要が落ち込む中、東北の大学生らが就職などを前に計画する卒業旅行は、予約件数が前年並みと堅調な出足を見せている。ただし学生の財布のひもは固め。大手旅行代理店のパンフレットやホームページには、各種割引や円高メリットなどのうたい文句が並び、お値打ち感の高いツアーが人気を集めている。

 業界最大手のJTBは、早期申し込み割引など特典を盛り込んだパンフレット「ガクタビ」を作製した。東北の契約件数は前年並みだが、行き先別は平均価格4万2000円(燃油特別付加運賃=燃油サーチャージ=別)と比較的安価なグアム、サイパンが3倍増と大幅に伸びている。

 JTB東北の販売課は「今年のキーワードは手ごろさ。日本から近く、安く行ける海外のビーチの人気が高い」と話す。

 エイチ・アイ・エスも全体的には前年と同水準だが、韓国は1.5倍と売れている。特にホテルと飛行機、送迎料金のみのフリープランが好調。燃油サーチャージ込みの平均価格は5万円前後で前年とほぼ同額ながら、ウォン安で現地の物価は半値に近いという。同社東北営業グループは「ウォン安を生かし、買い物や食事を楽しみたいという学生に好評」と語る。

 近畿日本ツーリストは韓国を含めたアジアとグアムが好調。日本旅行も韓国が前年比3倍増と伸びた。両社ともに団体割引やツアーの学割を導入し、割安感を売り込んでいる。

 一部の旅行会社では、1月からの燃油サーチャージ引き下げ幅が大きかった欧州の予約が前年を上回った。しかしある関係者は「卒業旅行は件数の健闘に対し、客単価が前年より落ちている」と話し、全体として景気悪化の影響がみられるという。

 一方、昨年まで多くの学生が訪れていたタイは昨秋以降の内政混乱で予約が不調。中国もチベット暴動などの影響を引きずり、不振が続いている。
2009年02月03日火曜日

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