西北五地域の自治体病院機能再編成による中核病院建設について、地域住民でつくる西北五地域医療研究会(対馬逸子会長)は7日、五所川原市のエルムの街ショッピングセンター二階エルムホールで第四回地域医療フォーラムを開いた。地域住民ら約150人が参加し、地域医療の現状に理解を深め、中核病院の在り方を考えた。
 同研究会は昨年、西北五地域の約200人を対象に「中核病院建設についての緊急アンケート」を実施。中核病院建設に地域住民が情報不足を感じているといった結果から、フォーラムを開いた。
 フォーラムのパネリストには、自治体病院機能再編成の事業主体つがる西北五広域連合の棟方昭博顧問、西北中央病院の相澤中院長、県医師会の和田一穂常任理事、五所川原市の佐藤茂宗財政部長の四人を迎え、現状と展望を聞き、参加者からの質問を募った。
 この中で中核病院について、棟方顧問は医療器具充実で若い医師へのPR度も高く「医療崩壊を防ぐ意味で一つの起爆剤になる」と期待建設運営にかかわる将来の財政状況に対し、佐藤財政部長が国の支援などを上げ、「耐え得る」と見解を示した。
 診療体制について、相澤院長は「弘大付属病院と同じ診療科が目標」とし救命救急センター設置は国の整備基準に満たないとした。医師の確保について、和田常任理事は「地域のみんなで医師の気持ちを高めてもらえれば定着すると思う」とし住民の医療への正しい知識と対応も訴えた。
 参加した五所川原市の男性(67)は「中核病院については欲しい情報を入手する方法がなかったので、フォーラムは素晴らしい試み。行政はこのように互いに情報を共有するように進めてほしい」と話した。
【写真説明】中核病院の現状と展望を探った地域医療フォーラム