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<麻生首相>「高そうな背広」…老舗で年に4、5着

2月7日12時23分配信 毎日新聞


<麻生首相>「高そうな背広」…老舗で年に4、5着

衆院本会議で代表質問に立つ田中真紀子元外相(手前)。後方は麻生太郎首相(右)と与謝野馨経済財政担当相=国会内で2009年1月29日、藤井太郎撮影

 今のままでは、ただ高そうな背広を着ているおじさんのままで終わる−−。田中真紀子衆院議員(元外相)から代表質問(1月29日)でそう揶揄(やゆ)された麻生太郎首相。庶民感覚と離れた言動が批判されがちな麻生さんだが、そのファッションの値段をチェックしてみた。【中川紗矢子】

【写真特集】幼少時から総理の活動まで 麻生首相の歩み

 東京都港区の明治神宮外苑イチョウ並木のすぐそばに、麻生さん行きつけの「テーラー森脇」がある。80年以上の歴史がある老舗紳士服店だ。社長の森脇精一郎さんは田中議員に「高そうな背広」などと品質の良さを指摘されたことについて「私にとってはうれしいことですけどね」と複雑そうな表情を浮かべた。

 麻生さんが初めて同店を訪れたのは学習院大学生時代の45年ほど前のこと。吉田茂元首相の三女で母親の和子さんに連れられて来たという。以来、スーツ換算にして、毎年4〜5着は作っており、スーツやジャケット、ズボンは、いつも同店のものだ。

●英製の金ボタン

 この日も、店舗内のクローゼットには、麻生さんの仮縫い中の濃紺ブレザーがあった。左襟を開いてもらうと、胸付近の内側には「T.A.」と、イニシャルが刺しゅうされている。ブレザーのお値段は27万円。金色ボタンは英国の有名店のもので、麻生さん本人が現地で購入した。宝石箱のような入れ物に入って、ピカピカ光るボタンセットは円換算で6000〜8000円。国内ではほとんど手に入らないそうだ。

 麻生さんのスーツはウエストを絞って線をキレイに出す英国スタイル。祖父の吉田元首相や父親も好んだという。やせて見えるように腕部分は細くなっている。シルエットを意識して、ズボンのすそには小さな鉛合金が入り、ジャストフィットで縫製されるためベルト通しはない。そんな麻生さん、首相就任後、ウエストが2センチほど細くなり、ズボンだけで十数本直したという。

 最近購入したのは、30万円以上するというオールカシミヤのジャケット▽矢がすり柄の約16万円のジャケット▽7万〜8万円のズボンだった。生地はどれも、英国スコットランドの有名メーカー製だ。スーツは上下で25〜30万円という。

●「品良く」意識?

 ファッション評論家のピーコさんは、麻生ファッションの特徴として、「自分はどう見られたいか、というのをはっきり持っている」と指摘する。紺やグレーを好むことからは、品良く見られたいという意識、細めのズボンからは、やせて見られたいという意識が読み取れる。

 一方で、おしゃれには弊害もある。

 「言ってることはちゃらんぽらんなのに、おしゃれだけビシッと決めて、中身が付いて行っていない。こだわっているファッションと、やっていることの齟齬(そご)があって、より反感を買うのでは?」と指摘する。

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最終更新:2月7日13時33分

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