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禁忌: 次の患者には投与しないこと
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使用上の注意:
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- 重度の肝機能障害のある患者[重度の肝機能障害を有する患者における使用経験がない.本剤は主に胆汁中に排泄されるため,胆汁排泄が著しく低下しているおそれのある重度の肝機能障害患者では,注意深く観察すること.]
- 活動性消化性潰瘍,潰瘍性大腸炎,クローン病,腸管狭窄のある患者[本剤の主な副作用は消化器症状のため,これらの疾患に影響を及ぼすおそれがある.]
- 本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので,食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること.
- 本剤の投与にあたっては,定期的に血清リン,カルシウム及びPTH濃度を測定しながら慎重に投与すること.血清リン及びカルシウム濃度の管理目標値は学会のガイドライン※等,最新の情報を参考にすること.低カルシウム血症及び二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは発現のおそれがある場合には,ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与あるいは他の適切な治療法に切り替えることを考慮すること.
- 2週間で効果が認められない場合には,他の適切な治療法に切り替えること.
- ※透析患者における二次性副甲状腺機能亢進症治療のガイドライン,2006
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン,ドキシサイクリン等 ニューキノロン系抗菌剤 レボフロキサシン等 | 左記薬剤の吸収が低下し,効果が減弱されるおそれがあるので,本剤服用後2時間以上あけて投与すること. | ランタンと難溶性の複合体を形成し,左記薬剤の腸管からの吸収を妨げることが考えられる. |
- 国内で実施された臨床試験において,305例中82例(26.9%)に副作用が認められた.主な副作用の発現例数(発現率)は,嘔吐38例(12.5%),悪心31例(10.2%),胃不快感9例(3.0%),便秘7例(2.3%)であった.(承認時,短期併合データ)
| 5%以上 | 1〜5%未満 | 1%未満 |
消化器 | 嘔吐,悪心 | 胃不快感,腹痛,便秘,下痢,逆流性食道炎,腹部膨満感,食欲不振,消化不良 | 腹部不快感,放屁増加,胃潰瘍,胃炎 |
過敏症 | | | 発疹,そう痒 |
肝臓 | | | AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇 |
血液 | | 貧血 | 好酸球増多 |
内分泌 | | 副甲状腺機能亢進症 | |
その他 | | Al-P上昇 | 胸痛,背部痛,けん怠感,めまい,高カルシウム血症,低リン血症 |
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,投与しないことが望ましい.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.]
- 授乳中の婦人に投与することを避け,やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること.[ヒトにおいてランタンの乳汁への移行が報告されている(1).]
- 小児等には投与しないことが望ましい.[小児等に対する安全性は確立していない.]
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薬剤交付時
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]
- 本剤服用患者の腹部X線撮影時には,ランタンが存在する胃腸管にバリウム様の陰影を認めることがある.
- 動物における薬物動態試験において,本剤の反復経口投与により,他の組織に比べて特に骨,消化管及び肝臓でランタン濃度が高く推移し,消失も遅延していた.
薬物動態:
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吸収・排泄
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- 日本人健康成人男子8例に本剤250及び1,000mgを単回投与した際のランタンの薬物動態学的パラメータを表に示した.単回投与時における尿中ランタン濃度はほとんどの被験者で定量下限未満であった(2).
-
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日本人健康成人に本剤250及び1,000mgを単回投与した際のランタン薬物動態学的パラメータ(n=8,幾何平均値)
投与量 |
Cmax (ng/mL) |
tmax※
(h) |
t1/2
(h) |
AUC (ng・h/mL) |
糞中回収率※※
(%) |
250mg |
0.156 |
4.00 |
7.8 |
1.56 |
59.5 |
1,000mg |
0.192 |
5.25 |
19.2 |
3.69 |
66.9 |
- ※中央値
- ※※算術平均値
- 日本人健康成人男子9例に本剤1,000mgを1日3回10日間反復投与した時の定常状態における血漿中ランタン濃度は,投与後6時間目に最高値に達し,Cmax及びAUC0-8はそれぞれ0.558ng/mL及び3.67ng・h/mLであった.最終投与後48時間までにすべての被験者から平均で投与量の0.0000164%が尿中に排泄され,投与したランタンの59.8%が糞中から回収された(3).また,本剤1,000mg単回経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティーは0.002%未満であった(外国人の成績)(4).
- 日本人透析患者に本剤を最大4,500mg/日投与した国内長期投与試験における投与開始後6,28及び52週目の平均血漿中ランタン濃度はそれぞれ0.337ng/mL,0.389ng/mL及び0.387ng/mLであり,2年間の長期投与においても血漿中ランタン濃度に蓄積はみられなかった(5).
- (注:本剤の承認された最高用量は1日2,250mgである.)
-
分布
- 高リン血症を呈する血液透析患者15例を対象として本剤を1日750mgから投与を開始し,1日4,500mgまで適宜増減して1年間投与した国内骨生検試験において,本剤投与開始前及び投与開始1年後に骨生検を行った結果,骨中ランタン濃度は投与開始前の57.3±33.5ng/gに対して,投与1年後には1274.7±839.6ng/gと,血漿中ランタン濃度の0.3±0.231ng/mL(投与開始前:検出感度以下)よりも高く,骨に蓄積する傾向が認められた(6).また,血液透析患者1,359例を対象として本剤を1日3,000mgまで2年間投与した海外長期投与試験においても,測定が可能であった28例における骨中ランタン濃度は投与開始前80.9±59.8ng/g,投与開始2年後1855.3±1338.3ng/gであり,同患者の血漿中ランタン濃度(投与開始前:0.0±0.07ng/mL,投与開始2年後:0.5±0.65ng/mL)よりも高かった(7).
- (注:本剤の承認された最高用量は1日2,250mgである.)
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代謝
- 本剤は体内で代謝を受けない.in vitro代謝試験において,ランタンは1A2,2C9/10,2C19,2D6及び3A4/5の各CYP分子種に対して阻害作用を示さなかった(8).
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血漿蛋白結合率
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in vitro試験において,ランタンのヒト血漿蛋白結合率は高かった(>99.7%)(9).
臨床成績:
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比較試験
- 高リン血症を呈する血液透析患者259例(本剤126例,沈降炭酸カルシウム133例)を対象とした比較試験において,本剤を1日750mgから投与を開始し,1日2,250mgまで適宜増減した.その結果,血清リン濃度(Mean±SD)は,投与開始時8.35±1.38mg/dLから投与終了時5.78±1.44mg/dLと低下が認められた.また,血清カルシウム濃度(Mean±SD)は,投与開始時9.02±0.69mg/dL,投与終了時9.22±0.61mg/dLと変化は認められず,本剤の臨床的有用性が確認された(10).
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血清リン濃度の推移
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一般臨床試験
- 高リン血症を呈する腹膜透析患者45例を対象として本剤を1日750mgから投与を開始し,1日2,250mgまで適宜増減した結果,血清カルシウム濃度を上昇させることなく血清リン濃度(Mean±SD)が投与開始時7.16±1.21mg/dLから投与終了時5.54±1.31mg/dLと低下した(11).
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長期投与試験
- 高リン血症を呈する血液透析患者145例を対象として本剤を1日750mgから投与を開始し,1日4,500mgまで適宜増減して1年間投与した結果,血清リン濃度低下効果が維持された患者も認められた(5).
- (注:本剤の承認された最高用量は1日2,250mgである.)
薬効薬理:
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作用機序
- 炭酸ランタンは,消化管内で食物由来のリン酸イオンと結合して不溶性のリン酸ランタンを形成し,腸管からのリン吸収を抑制することにより,血中リン濃度を低下させる(12).
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リン結合作用
-
in vitro試験において,炭酸ランタンをリン酸ナトリウム溶液中で反応させた結果,リン除去率はpH3で97.5%,pH5で97.1%及びpH7で66.6%であった(13).
-
血清リン濃度低下作用
- 5/6腎摘出ラットに炭酸ランタンを6週間反復投与したとき,血清リン濃度は溶媒対照群に比して有意に低下した(14).
有効成分に関する理化学的知見:
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一般名: 炭酸ランタン水和物
一般名(欧名): Lanthanum Carbonate Hydrate
化学名: Lanthanum carbonate hydrate
分子量: 529.90(4水和物)
取扱い上の注意:
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- 湿気により,製品の品質が影響を受けるので,PTPシートの状態で保存すること.
包装:
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- 錠剤
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- 250mg PTP包装
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- 100錠(10錠×10)
- 500錠(10錠×50)
- 500mg PTP包装
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- 90錠(6錠×15)
- 600錠(6錠×100)
主要文献
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- Wappelhorst,O.et al., Nutrition, 18(4), 316, (2002) »PubMed
- 高原 由姫他, バイエル薬品社内資料[薬物動態(単回投与)], (2008)
- 高原 由姫他, バイエル薬品社内資料[薬物動態(反復投与)], (2008)
- Pennick,M.et al., J.Clin.Pharmacol, 46(7), 738, (2006) »PubMed
- 重松 隆他, バイエル薬品社内資料[長期投与試験], (2007)
- 重松 隆他, バイエル薬品社内資料[骨生検試験], (2007)
- Finn,W.F., バイエル薬品社内資料[海外長期投与試験], (2005)
- Matthews,A., バイエル薬品社内資料[チトクロームP450(CYP)分子種(in vitro)], (2000)
- Bullivant,C.A., バイエル薬品社内資料[血漿蛋白結合(in vitro)], (2000)
- 重松 隆他, バイエル薬品社内資料[二重盲検比較試験], (2007)
- 重松 隆他, バイエル薬品社内資料[腹膜透析患者を対象とした一般臨床試験], (2007)
- Harrison,T.S.et al., Drugs, 64(9), 985, (2004)
- Fenn,P.D., バイエル薬品社内資料[リン結合作用(in vitro)], (2001)
- Shen,V., バイエル薬品社内資料[血清リン濃度低下作用], (2001)
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総称名: ホスレノール
改訂履歴:
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2008年10月
作成
薬効分類名: 高リン血症治療剤
製剤名: 炭酸ランタン水和物チュアブル錠
文献請求先:
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バイエル薬品株式会社
学術情報
530-0001
大阪市北区梅田二丁目4番9号
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