[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」



魔術士オーフェン無謀編

++てめぇは一体何しに来やがった!?その2++





「で?あたしになにしろと?」

「うむ。君にもあの二人をくっつけるのに協力して欲しいのだ」

トトカンタのとある喫茶店。
宗介とキースはオーフェンとコギ−をカップルにするためある人物と交渉をしていた。
ロングの黒髪、ほっそりとした線の細い顔、かなりの美少女である。
背丈は165センチほどはあるだろう。
白地に英字のプリントTシャツの上にやや大きめの長袖のジーンズ、使い古しのジーパンというかなりラフな格好である

「ふ〜ん」

その少女、千鳥かなめは肘を掛け頬に手をおき、机の上に出されたファイルをパラパラめくっていた。

「どうだ?」

読み終わった頃合を見て宗介が声を掛けた。

「・・・これだけじゃなんとも言えないわ。大体そのオーフェンって黒魔術師の人を幸福にするのにどうして恋人作らせて上げなきゃいけないの?」

かなめがオレンジジュースを一口飲んで言った。

「ふむ、奴が不幸な原因は奴自身の歪んだ性格にある。
 恋人の一人でもできれば少しは大人しくなるだろう。」

「あんたにしてはめずらしくまともな意見ね」

「黒魔術師殿の暴走には町の人々皆迷惑しております。先ほども街の中で攻撃魔術を使う始末・・・・」

「それはたいへんね〜」

宗介はパンツァー・ファウストを発射、キースは巨大ハンマーを打ち下ろして道を破壊したのだがその場に居なかったかなめにそんなことがわかるはずもなかった。

「はい、それと実はわたくし、マギー家の執事をしておりまして」

「あっ、やっぱり?そうじゃないかなって思ってたのよね」

「なに?キース、お前執事だったのか?」

「なによ、宗介、まさかこのカッコウ見て魚屋かウエイトレスと思ったなんてことはないわよね?」

「当たり前だ、そんなことは思ったりしない。そんなこと思いつく奴は脳みそがクラゲ並みのやつだけだ」

「じゃあなによ?」

「トトカンタに潜入した他国のスパイかと」

かなめは疲れのため息を吐きながら
「あんたね〜、こんな派手な格好のスパイがどこにいるっていうのよ」

「甘いな千鳥。スパイと言ってもいくつか役割がある。
 第一次大戦の頃、ドイツの有名な女性スパイ・マタハリは明らかに諜報機関の注意を引くための存在だっ たし、第二次大戦では作家のヘミングウェーも諜報機関に加わっていたことが知られている。結局彼はダ ミーだったらしいが」

「・・・・そんなの知らないわよ」

「無理もない。君は素人だからな」

「何の素人よ・・・・」

「フランスのハヤシミズ閣下ならやりかねんからな」

「あの人か・・・・・・」

かなめは以前お城の舞踏会で会ったハヤシミズ王の顔を思い出した

(・・・まぁ”超”変人で有名な王様だもんね。なにしようと不思議じゃないけど・・・・そういえば閣下 って言ったけど直接の知り合いなのかしら)

かなめはいろいろと疑問が出てきたが実際はどうでもいいことなので考えないことにした。

「でもキースさんが何者でもオーフェンって人の恋路に関係ないんじゃない?」

「なにをいう千鳥、俺は世界紛争の火消し役『ミスリル』の一員として近隣諸国の動きを知っておく必要がある」

「『ミスリル』って”この小説”だと極秘の魔法使い協会って設定じゃなかったっけ?」

「・・・・・・・・・・・・(汗)」

かなめの鋭い突っ込みに宗介は固まった。

「・・・・話を戻してよろしいですかな?」

二人のやり取りを見ていたキースが口を挟んだ

「あっ!ごめんなさい、無視しちゃって・・・」

キースは笑顔で
「いえいえ構いませんよ」

「・・・・あのう、両手を握るのやめてくれますか?ついでに顔を近づけるのも・・・」

一瞬、嫌な顔をしながらキースは手を離した

「ごほん・・・・わたくしの主、ボニ―・マギー様は実は黒魔術師殿にほれていらっしゃるのです」

「へぇ〜執事がいるくらいだからきっと大金持ちなのね。
 ところでその人、年はいくつなの?」

「19でございます。主をひいきするわけではありませんが栗色の長い髪と整った細い顔立ちは世の殿方を 魅惑するでしょう」

「ようするに美人てことね」

「はい、おっしゃる通りです」
キースは話を続けた

「はっきり言って黒魔術師殿にはもったいないお方でございます。とはいえ、もしこれが相思相愛の恋ならばわたくしも反対はしません、しかし・・・」

『しかし?』
宗介とかなめの声がはもった

「しかし、魔法使い殿もご存知のように黒魔術師殿にそのような寛容な心はありませぬ
 さらにあの御性格・・・ボニ―様が不幸に成るは必定・・・」

「それでコンスタンスって人とくっつけようってわけ?」

「はい、コンスタンス様と一緒になるも後にボギー様と一緒になるもまずは黒魔術師殿が更正せねば始まりませぬ」

「う〜ん」

かなめはしばらく考えた結果

「わかったわ、協力するわよ」

「おおっ!分かってくれましたか!?」

「やってくれるか千鳥!?」

「まあね・・・・このファイルにはオーフェンさんの泊まっている宿にコンスタンスさんがほぼ毎日来てるっていうけど・・・具体的には何してるんですか?」

キースは困った顔をして
「いろいろですね・・・・コンスタンス様が黒魔術師殿をからかったり、黒魔術師殿がコンスタンス様に夕食をたかったり・・・・」

「・・・・男女が一つ屋根の下にいるのにまったく何の進展もないの?」

「はい」
キースは真顔できっぱり答えた

「じゃあどっかに呼び出すってのは?」

「デートさせるのか?」

「そう、普段と違う場所なら二人の心境も変わるはずよ」

「確かに一理ありますな、さいわい明日はコンスタンス様の休日でございます。
 決行するのなら良い機会かと」

「う〜ん、そうは言ってもデートなんてどこに呼び出せばいいのかしら」

ショッピング?いいえ、オーフェンさんがお金をもってないのは分かりきってることだし、近くに観光名所なんてないし・・・・・

「・・・・・・・」

「・・・・宗介、なにを見てるの?」

店の外を眺めていた宗介に気づいたかなめが声を掛けた

「ふむ、あれはどうだ?」

「どれ?」

窓の外ではサーカスの街頭パレードが行われていた

『こんにちはトトカンタの皆さん。こちらはグラウジウス・サーカスです
明日より3日間、この街で興行させてもらいます。是非おいでください』

華やかな衣装に身を包んだサーカスの人たちが楽器で演奏しながらビラを配っていた

「サーカスね・・・・因果律をいじくったような安直な展開だけど・・・・
まぁいいんじゃないかしら?」

「そうですな・・・・ではわたくしは黒魔術師殿とコンスタンス様のチケットの手配をして来ます。
 魔法使い殿とかなめ様は2人がサーカスに来るよう差し向けてくれませぬか?
 わたくし実はこのあと仕事が残っておりまして」

「了解した」

「わかったわ」

「では、のちほど・・・・」

キースは勘定を払い、店を出て行った

「・・・・・・・さてどうするの、宗介?」

「うむ」
宗介は袖から注射針のついた弾丸を取り出し、懐から分解された銃のパーツを取り出した

「・・・・・なにをしてるの?」

「無論、あの2人をサーカスにおびき出すための準備だ」

「・・・それどうするの?」

宗介は銃をなれた手つきで組み立てながら言った。

「この狙撃銃の麻酔弾であの二人を眠らせる。
 気が付く頃にはサーカスの席に座っていることになるという寸法だ。」

「却下!!」

「むっ・・・なぜだ?」

「あたりまえでしょうが!?麻酔弾なんて!!」

「なに?では実弾を使えと?」

「もっとダメェェェェェ!! とにかく誘拐はだめ!!!」

「別に人質にするわけではない」

「そういう問題じゃないわよ!!」

「・・・・・ではどうする?」

「・・・・そうね、好きもの同士ならともかくお互い異性を意識してないんでしょ。素直にデートしてくださいって言ってもだめでしょうね・・・」

「やはり眠らせて・・・・」

「いい加減その発想から離れなさいよ」

「痺れ薬・・・・」

「だめ!!却下!!」

「ならばエサでつるか」

「エサっていうと?」

「任せておけ、今度は確実だ。そうとなればさっそくオーフェンのところにいくぞ、シンデレラ」

「そういえばあたしシンデレラって設定だっただっけ・・・・でもわかんない人が多いだろうし、いつも通り千鳥でいいわよ」

「了解した。では行くとしよう、シンデレラ」

「だからそれじゃわからないって・・・・」

「気にするな、読者は分かってくれている。そういうものだ」

「そうかなぁ?フルメタ短編集第一巻「放って置けない一匹狼」を読んでなきゃさっぱりよ。きっと・・・ ・・」

「なにをぶつぶつ言っている?来ないのなら置いていくぞ」

「あっ、待ってよ!!」








<バグアップズ・イン2F>

「・・・・・・・・・・・・・で、結局俺に何をしろと?」

永久に客の来ない宿バグアップズ・インの2階の俺(オーフェン)の部屋に宗介とその連れの女の子がやって来た。

この女は千鳥かなめ、話によるとどうやら宗介の相棒らしい。
以前、宗介の世話になったらしいがこの男に不幸から救ってもらったかと質問したらあいまいな返事が帰ってきた。
おそらく一緒に旅をしていていろいろ苦労したに違いない。

俺の見た限りこの暴走自爆装置着火作業済み戦争ボケ男は怪奇面妖逆噴射式変態執事と迷惑さでは互角に渡り合えるほどの実力の持ち主だからな。

  まったく世界は広いぜ・・・・

「うむ、貴様にある女と純粋異性交遊を要請する」

「純粋異性交遊?・・・・・・・・・・・ひょっとしてデートしろってことか」

「そうとも言う」

「最初からそう言いなさいよ・・・・・」

「千鳥、こういうものは遠まわしに言うからこそ美学があると言っていたぞ」

「・・・・誰が」

「会長閣・・・・・」

「はいはい!!ここにいない人のことを出すのはやめなさい!!」

「誰がいないのかね?」

 ん?言ったのは俺じゃないぞ?

ここには3人しかいない。一体今の声はどこから聞こえてきたんだ?

!!!俺は窓の外に人影を見た。

オールバックに真鋳の眼鏡、線の細い顔の男である

ただ、場違いな真っ白なスーツに長くたらしているこれまた真っ白なマフラーをしている

まるで禁酒法が引かれていたころのアメリカのマフィアだ。

「・・・・なにやってんですか、先輩?」

「ふっ・・・」

先輩と呼ばれた男は窓を開け(鍵は掛かっていない)窓枠に足をかけて飛んだ!

「とぉっ!!」

空中で一回転し、半ひねりを加えて宗介とかなめの間に着地する

「・・・・・・・・・・」

唖然とする俺達に対して先輩と呼ばれた男は口元をにやりとさせ

「ふふ、決まったな」

「お見事です、会長閣下」

「なにやってんですか!!危ないじゃないですか」

「問題ない、君が避けることは計算付くだ」

「打算で危険なことしないで下さい!!」

「それはいいとして・・・」

「よくありません!!大体なんで突然先輩が出てくるんですか!?いくらなんでも突拍子がなさすぎます!!理由はなんなんですか」

「簡単なこと、さきほど、約5分前に作者がなんとなく出したくなったから。
それだけだ」

「そんな・・・・いくら馬鹿小説っていっても限度というものが」

「目の前の現実から目を背けてはいかんよ」

「でも!!」

「千鳥」

「なによ!?」

「このままでは話が進まないぞ」

「だって先輩が!!」

「さっきから先輩とは誰のことだ?」

「林水先輩のことよ、なに言ってるのよ、」

「林水?誰だそれは?」

「あんたふざけないでよ、会長閣下って言ってたじゃない!!」

「確かに俺は会長閣下と言ったがこの方は林水などという名前ではない」

「なんですって?」

「相良君あとは私が説明しよう」

「はっ・・・・」

「千鳥君、君の言う林水はフランスで王をしている。
私はミスリルから派遣されたウォーター・フォレストだ
相良君の協力が目的だ」

「・・・それって『林水』をただ英語にして逆にしただけじゃないんですか?
 しかもフォレストって訳すと『森』だし・・」

「いかん!!いかんぞ!!千鳥君、登場人物にあるまじき行いはしてはならない」

「えっ?なにがですか?」

フォレストは困った顔をして

「やれやれ、君はまったく美学というものを理解していない」

「???」

「いいかね、例え少し名前をかじっただけでもそれは作者が一生懸命考えてつけた名前なのだ、それを馬鹿にする権利は誰にもないのだよ」

「はぁ・・・・」

「というわけで私は君の知っている林水とは別人なのだ、いいかね?」

「はぁ・・・・」

(迫力に押されちゃったけどどう考えたって手抜きなネーミングよね、それに根本的に解決してないし)

「ところで先輩じゃなくてフォレストさん・・・でいいですよね?」

林水はにっこりと笑い

「なにかね千鳥君」

「その派手な格好は?」

「ふむ、よくぞ聞いてくれた。これはそこの黒ずくめの黒魔術師君に対抗してコーディネイトしたのだが汚れがつかないようにするのは苦労したよ」

「じゃぁなぜそんな服着てきたんですか?」

「ふっ、なにごともカッコから入るものだ、当然魔法使いとしてこれくらいはする必要がある」

「それのどこが魔法使いなんですか?」

「ふっ・・・・その認識は甘いぞ、千鳥君。
 今の時代、魔法使いといってもローブを着て杖をもっているだけが正装ではない。
 いまどきの魔法使いの服はバラエティーが実に豊富だ。
 セーラー、ナース、メイド、水着、ブルマ、着ぐるみ、バニー、軍服、コスプレ、18禁も入れれば裸  もあるぞ、
 となればわたしの格好も十分常識の範囲内だ。
 わたしとしては体操着にブルマが好みなのだがブルマの中にちゃんと服を入れない連中に対してなんとも いえない怒りを感じられずに入られないのが現状なのだよ」

「先輩の親父趣味はともかくとして、それは魔法使いではなく魔法少女なのでは?
 しかもめちゃマニアックだし・・・・」

「うむ、わたしも言っていて少し思った、だが心配無用だ。元ネタが全部分かるような人などそうそういるものではない」

「またさりげなくどっかからパクッたようなセリフを・・・・」

「とにかくだ。相良君から報告は受けている。ところで例の魔術師はどこにいったのかね?
 先ほどから姿が見えないのだが・・・・・」

「え?そこにいますけど?・・・ってあれ?」

すでにオーフェンの姿はそこにはなかった

「ち、ちょっと宗介・・ってあんたなにしてんの?」

「むー、むー!!・・・・」

宗介は猿ぐつわをされた上に毛布で簀巻きにされていた

「もう、暴れないで、はずしにくいじゃない」

ようやく手が自由になった宗介は自分で猿ぐつわをはずした

「どうしたのよ、いきなりそんな格好して?」

「・・・・・・・・わからん、よそ見をした瞬間何者かに後ろから襲われたのだ」

「なに?相良君ほどの猛者(もさ)が我々に気づかれもせずに簀巻きにされたというのか!?」

「・・・肯定です。不覚をとりました」

「で、誰にやられたの?ってオーフェンさんしかいないか」

「いや、少なくともオーフェンではない」

「え?どういうこと?」

「説明してもらおうか?相良君」

「了解しました。さきほど会長閣下がこの部屋に入ってきて1、2分のことです。
 正確に言えば千鳥副会長の“それのどこが魔法使いなんですか?”の発言のあたりです」

「・・・あんたよく覚えてるわね」

「ふっ、任せろ。得意分野だ」

「威張って良いのか悪いのか微妙なところね・・・・」

「それはいいとして・・・何があったのかね」

「はっ、オーフェンが会長閣下と千鳥が話している最中、窓から脱走しようとしました。
自分がそれに注意を引かれたとき何者かに薬品をかがされご覧のとおりの有様です。
幸いかいだ量が少なかったため効果は体がしびれる程度でしたが・・・」

「なるほど・・・すばやい手つきだ。只者ではない」

「そのとおりです」

謎の人物の手腕に感心する二人

「・・・ち、ちょっと待って、オーフェンさん、どっか行っちゃったってことでしょ?
じゃあ、こんなところにいてもしかないんじゃない?」

「いいところ気づいたな千鳥、実は俺も今気づいたところだ」

「わかってるのなら早く追わないと!?」

「ほう、千鳥君、いやいやだったわりにはノリノリではないか?
 お父さんはうれしいぞ、」

「成り行きです!!それに誰がお父さんですか!?
 先輩さっきからやること成すこと全部が完全に別キャラですよ!!
 ・・・・・まだそう遠くまで行ってないわ、早く行きましょう」

「まあ待ちたまえ。君が本気ということならばその格好はいただけない。
 残念ながらブルマと体操服はないがこのスクール水着に着替えたまえ。
 サイズが一つ小さいかもしれんがそれはそれでそそるものがあって・・・・・」

「絶対嫌です!!!」

「なぜだ!?スクール水着といえば世界を制することも可能なスーパーアイテムだぞ、考え直して・・」

「死んでも嫌です!!」

「(くらっ)し、死んでも、とは・・・・
 相良君。わたしは日本の教育現場の腐敗を今、身を持って痛感したよ。
 これだから少年犯罪が絶えないのだ、まったく嘆かわしい・・・」

「あんたのほうがよっぽど嘆かわしいわ!!ったくこんなことしてる場合じゃないのに」

「あせる必要はないぞ、千鳥」

「どうして!?早くしないとあの人探すの大変よ?」

「ふっ、これを見ろ千鳥」

宗介はポケットから白い円筒形のものを取り出した
一見すると手の平で持てる大き目のストップウォッチのようにも見える
緑色の画面に黄色い光が点滅している

「なにそれ?」

「これはミスリルが極秘に開発した魔法発信機だ、俺達はこれをチェイサー(追跡者)と呼んでいる。ちなみに企画段階での愛称は「あなた〜お待ちになって〜♪」、開発チーム内の愛称は「ドラ○ンレーダー」
開発データが入っているコンピュ―タのパスワードは「テッサより愛を込めて♪」だったことが分かっている」

「ミスリルって一体・・・・」

「“♪“がポイントだ。普段から掲示板やチャットをしていなければこれの表示の仕方はわからん。
 なにせ”おんぷ”と入力しないと出ないのだ。これには作者も長いこと苦戦したぞ
 最初は”はあと”マークにしたかったんだがワードで予想以上に苦戦した挙句メモ張に本文をコピーした とき”?”になってしまうことが判明して少なからず作者が肩を落としたこともその筋では有名だ」 

「そんなの知らないわよ・・・・」

「無理もない。君は素人だからな」

「何の素人よ」

「この前もやったな、そのネタ」

「っていうかここまで毎回されるとマンネリ通り越して決め台詞みたいに思えてくるわ。
 まったく見事に作者のマンネリが浮き彫り出てるわね」

「それはそうと相良君それはどういったものなのかね?大体想像はつくが・・・」

「はっ、説明させていただきます。ターゲットに付属の魔法発信機をつけておくとこの本体のレーダーに表 示することができます。すでに目標にくっつけてあるためいつでも追跡は可能です」

「どのへんが魔法なのかしら・・・・」

「この発信機本体は魔法バッテリーで動いているし、材質は魔法合金でできている。
 いずれにしろ普通の店では製造不能だ」

「それは認めるけど・・・・・・いつの間に発信機なんてつけたの?」

「この前あったときにやつに食わせた干し肉の中にあらかじめ仕込んでおいた。」

「よく壊れないわね」

「なんせ魔法だからな、そういうことは得意分野だ」

「オーフェンさんも変なもの食わされて可哀想に・・・・」

「よし、相良君、千鳥君。さっそくやつを追いかけるぞ」

「はっ!!」

「わかりましたよ」




・・・・・ったくなんなんだあいつらは?

キースやコギ―だけでもウザイって言うのに、
どうして俺の周りは変態ばっかなんだ・・・・

「類は友を呼ぶ・・・・と申します」

どこからか聞こえてきた聞き覚えのあるその声は・・・・

「その声はキースだな!?どこに居やがる!?姿を見せやがれ!!」

「お望みとあらば・・・・・」

ドッカ―――――――――ン!!!!!

突然、俺の前方の地面が”爆発”した。その中心には奴の姿が・・・・・

「キース!!!てめぇどこから現れやがった!?まさか地面の中に潜んでたんじゃねえだろうな!!」

「そんなことは些細なことです黒魔術師殿。お気になさらず・・・・」

「いっっっっもそれでごまかしやがって!!いい加減自然法則無視するのはやめやがれ!!
 はっきし言っててめぇのやることなすこと全部不可能なことだらけだぞ!?」

キースは、はっはと笑い

「主のためなら不可能を可能にするのが真の執事というもの。このキース、確かにボニ―様の執事とはいえ 黒魔術師との友情もまたボニ―様の忠誠に勝るとも劣らないものと自負しております!!
 したがって黒魔術師の前で不可能を可能にするのは至極当然のことかと・・・・」

「俺が聞いてんのはそんなたわ言じゃねぇ!!!」

「おおっ!!なんということでしょう、わたくしの黒魔術師への海よりも深く山よりも高い美しき友情を語る言葉がたわ言の一言で片付けられてしまうとは・・・・・・わたくしが何をしたというのですか!?」

「てめぇの胸に手を置いて考えろ!!」

キースは目を瞑り両手を胸の前において瞑想をはじめた。

「ラザニア・・・・・」

ピクっ!!

キースのふと呟いた言葉に俺は眉毛をピクッとさせた。

「パエリア・・・・・・」

ピクっピクっ!!

「グラタン・・・リゾット・・・・オムライス・・・・・」

キースは次々と食べ物を呟く。このメニューは・・・

「黒魔術師殿の血となり肉となった麗しきディナーの数々、それをわたくしの財布から出したことすらすでに過去のどうでもいいことなのですね。」

だら〜一筋の汗が俺の頬を伝わって下に落ちる。

「キ、キース?・・・・・・」

「いえ別に立て替えた料金を返せとは申しません!!しかし黒魔術師殿がわたくしとの友情を否定するとお っしゃるのならばこれから先立て替えつづける義理もなくなるというもの。黒魔術師殿それでは・・・」

「ま、待てキース!!」

「なんですかな、黒魔術師殿?もはや赤の他人と化したわたくしにまだなにか?」

「い、いやお前が居ないとこの先おごって貰えな・・・じゃなくてさっきのただの冗談だ」

「冗談?」

「そ、そうだって、俺とお前の友情は永遠のものなんだろ?こんなことくらいで腹を立てるなって。な?」

「ふ、黒魔術師殿の目はわたくしをただのヒモとしか見ていないと言っておりますが、まぁそこまで言うのならさきほどのことは撤回いたしましょう」

「ほっ・・・・」

「ただし!!」

キースは懐からなにやら紙を取り出した

「心苦しいのですが言葉だけではなんとも信用しがたい。この誓約書にサインをしてもらいます!!」

「まぁサインくらいなら・・・・・・てちょっと待てキース」

「ささっ、ずずずいっと、お名前のところにさらさらっと名前を書くだけでよろしいのですよ。
 さすれば我らの友情は雨降って地固まる如し!!」

「これって借金の保証人の誓約書じゃねぇか!!!
 それにこの金額・・・てめぇ何に使えばこんなに借金が増えるんだ!?とても一般サラリーマンが返せる 金額じゃないぞ!」

「ふっ・・・ばれてしまったのならば仕方ありません。おっしゃるとおりそれは借金の肩代わりの誓約書
 さすがは黒魔術師殿、普通の人間ならば簡単に引っかかる巧妙な手口をあっさり見抜くとは・・・
 それでこそ我が生涯の宿敵に相応しいというもの」
 
「こんなもんに引っかかる奴が居るとは思えんが・・・・俺をはめようとした罪は許しがたい。
 覚悟はできてんだろうな?
 とその前にその借金を何に使ったのか聞いておくとするか?どうせくだらんことだろうが・・・」

「ふっ・・・簡単なことですよ、マギー家の資金をちょっと黙って借りていたら管財人にばれてしまいまし て、毎日酒場できれいなネーちゃんにチップをあげていたらいつの間にか金額が一桁二桁ウナギのぼり・ ・・・というわけでございます。どうしました黒魔術師殿、しゃがんで頭など抑えて」

「てめぇの話聞いてたらな〜んかもう世の中ど〜でもよくなってしまうような気分になっていたぜ」

「それは穏やかではありませんね黒魔術師殿、わたくしといたしましてはそのしらみの溜まった頭髪を全て そり落とし焼けた木材の上を歩くヨガの体験コースを推奨しますが・・・」

「てめぇがやれ!!いい加減はなしがそれたがそもそもあの爆発はなんなんだ!!
 なんのつもりなんだ!!」

「なに簡単なことですよ、つい先日東洋のとある国の文化を紹介している本を購入しまして」

「ほほう」

「その本に爆発の中、身を隠す術が存在することを知ったわたくしはそれがフィクションかノンフィクショ ンか実際に試してみようと思ったのです、どうしました黒魔術師殿?また頭など抱えて」

「なんでもない・・・・で、その技の名前は」

「忍法微塵がくれ・・・」

「ちょっと待てイ!!忍法ってのも納得いかねぇが”かくれ”っていうのになんで派手に登場してやがる!!どう考えても使い方間違えてるだろうが!?」

「はっはっは、これは異なことをおっしゃる。猿真似ではオリジナルティーにかけるではありませんか
 同じ技を使うとしても他人とは一味違ったアレンジを加えることで技術というものは日々進化していくの ですよ」

「だからといってモノの本質を否定してどうする!?てめぇのアレンジは・・・・・もういい」

「わかってくれましたか!?さすが我が生涯の友!!」

「近いうちに縁を切りたいが・・・・てめぇと話してると頭痛がしてくるぜ」

「おおっ!!それは友好のしるしと受け取ってよろしいのですね?」

「・・・・・もう疲れたから帰る・・・・・・てわけにもいかねぇな、そもそも逃げてきたんだし
 コギ―のところでもいくか」

「ほほう、逢引きですか?」

「お前、意味と状況がわかっていてその言葉使ってるんだろうな?」

「照れることはないのですよ、黒魔術師殿。何も言わずこれをお受け取りください」

「紙袋?・・・・な、なんじゃこりゃ!?」

「おや、博学な魔術師殿でも知らないのですね、それはコンド―・・・・」

「んなことくらい知っとるわ!!俺が言いたいのは・・・」

「サイズは20代の男性の平均サイズを選んだのですが、大きさが合いませんでしたかな?」

「人の話を聞け!!!なんで俺がコギ―にこんなものを使わないかんのだ!?」

「しかしまだ子供は早いかと・・・・」

「そういう問題じゃないだろうが!!」

「ここでこんなことをしている場合ではないのではありませんか黒魔術師殿?はやく行かねば魔法使い殿たちに見つかってしまいますぞ」

「ちぃ!!こうしちゃいらねぇ!!!

俺は自分が追われていることを思い出し走ってその場から逃げ出した。

のこったキースはやたら笑顔で

「さてわたくしもこうしている場合ではありませんな、さっそくビデオカメラの準備をしなくては・・・」

そういうとキースは軽い足取りでその場から離れていった。



 

Please Wait Next Story....




ANDu様―――!!(ふぎゃー<ばたり)

冒頭からかなめが登場(しかもヒジつき憂い【憂いてねぇ】の表情で)してる――!!

てな訳で、オーコギ言いつつ、ばっちりソーカナ要素入り混じった(お前の認識で物を言うな)

コメディ話、ありがとうございましたです―――!!m(_ _)m

ANDu様の描かれる話のギャグ・・・キレ味が良くて好きです私。(超私信<こんな所でするな)

後編めっちゃ楽しみにしとりますです・・・・!!(どきどきどきどき)

お疲れ様でした・・・!本当にありがとうございましたです―――!(⌒∇⌒)ノ











ANDOu様のお部屋へ。




投稿ROOM(小説)トップへ。