【ロサンゼルス=松尾理也】財政危機に直面している米カリフォルニア州は6日、支出削減策の切り札として、20万人以上の州職員に給与なしの自宅待機を命じた。この結果、各地の保健所や運転免許試験場がいっせいに休業となった。シュワルツェネッガー知事は今後17カ月にわたって、毎月2回の割合で職員の無給自宅待機を実施し、破綻(はたん)すらささやかれている州財政の立て直しに全力を挙げるとしている。
「今回の不況で、企業も、家庭も、等しく節約を強いられている。州も同じことをして当然だ」。ブルームバーグ・ニュースに対し、シュワルツェネッガー知事側近はこう述べるとともに、「知事は何千人ものレイオフ(解雇)よりも、自宅待機の方がはるかに望ましいと考えている」と、今回の措置の正当性を強調した。
自宅待機実施を受け、カリフォルニア各地の行政窓口は一部を除き、6日、業務を取りやめた。運転免許試験場などでは、賃金カットに抗議する職員らによる抗議活動もみられたが、全体としては、大きな混乱はみられなかった。
無給自宅待機は今後2010年6月まで、2週間おきの金曜日ごとに実施される予定。職員は月2回の休日の増加と引き換えに、給与を約10%カットされる。
巨額の財政赤字の圧縮を迫られているカリフォルニア州は、この措置によって13億ドルの節減を見込んでいる。財政状況が好転すれば、計画より早めに実施を打ち切ることもあるという。
景気後退による米地方自治体の財政危機は各地で深刻化している。無給自宅待機は他の州にも広がる様相をみせており、すでにハワイやオハイオなどでも提案されている。
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