日刊ゲンダイ
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仲介に立ったのが、元不動産会社社長のA氏(73)。緒方氏は01年、A氏が経営難から自分の会社の本社ビルを売却した際、弁護士を務めた縁で知り合った。
政財界に豊富な人脈を持つA氏に緒方氏はあっという間に籠絡された。
「家族ぐるみの付き合い」(緒方氏)になり、03年2月、ついに一線を越えてしまう。A氏が持つ世田谷区の大豪邸が人手に渡り、1年後に買い戻す約束を結んだものの、資金繰りがつかなくなった際、緒方氏の娘が社長を務める不動産会社がこれを買い取ったのである。
このとき、緒方氏は家を抵当に4億3000万円もの借金を負った。利息はA氏が払う約束だったが、滞った。緒方氏も金に窮していたのだ。
「そこに朝鮮総連ビルの売却話が持ちこまれたわけです。A氏は『名義だけ貸してくれ』『購入資金の35億円はこちらで用意する』『賃貸料、手数料が手に入る』『5年後に買い戻す』などとおいしい話をささやいたとされる。元銀行員が登場し、出資者も出てきた。4億円を超える借金で困っていた緒方氏は、『だまされたとは言いたくないがのせられたのかな』と語っています」(司法関係者)
緒方氏がA氏を信用した背景には、もっと深い闇がある。
「A氏は故三塚博氏と親しく、巨額献金をしています。森派に太いパイプがあり、中川秀直幹事長にも300万円の献金をしている。A氏の人脈は芸能人、大物右翼と多岐にわたり、その中から政治家にリンクしていくルートもある。緒方氏が一介の不動産屋を信じた裏にはこうした政界人脈があるわけです。」(政界関係者)
さらに、朝鮮総連側の窓口が許宗萬責任副議長あったことも決定的だったろう。
「・・・ しかも、緒方氏によると、許氏はA氏に4億円を渡し、さらに緒方氏への謝礼として1000万円を託したとされる。A氏が4億円を手にすれば、自宅を買い戻せる、緒方氏の借金もチャラになる。こうしたことががんじがらめになって、緒方氏はおかしなスキームに顔をつっこんだんですよ」(公安関係者)
日刊ゲンダイ 6月20日(19日発行)から抜粋
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日経新聞
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「姓はわかるが、名は知らない。名刺もない・・・」緒方元長官は同日の会見で、三十五億円の出資予定者だった投資家の男性を説明したが、歯切れが悪かった。
元長官は出資者集めを請け負った元銀行員に男性を紹介されたが、直接会ったのは5月二十六日の一回。時間もわずか一時間だった。
「自己資金約六十億円を運用」「米国で情報機関関係の仕事をした」。男性はそう自己紹介をしたという。契約期限の五月末までに三十五億円の出資を確約したが、二人の間で証書や念書は作らなかった。
契約当日になっても入金は無し。しかし、緒方元長官は元銀行員を通じて男性の出資の意志を再確認し、登記後に代金を支払うという異例の条件で契約した。
なぜ緒方元長官は面識の乏しい出資予定者を信用し、不透明な取引に手を染めたのか。
鍵を握るのが東京都内の不動産会社の元社長(73)。総連と関係が深く、緒方元長官に売却話を持ち込み、資金調達役の元銀行員も紹介した”キーマン”だ。
不動産会社は旧住専の融資先で、元社長は一九九八年、住宅金融債権管理機構(現・整理回収機構=RCC)の差し押さえを妨害したとして逮捕されたこともある。
実は裁判で弁護人を引き受けたのが緒方元長官。以後、「家族ぐるみの付き合いもする友人関係になった」(元長官)という。
「元社長に役四億数千万円、緒方さんへの謝礼も一千万円分渡した」。緒方元長官によると、朝鮮総連の許宗萬・責任副議長が今月十一日、突然事務所を訪れ、巨額の仲介手数料の存在を切り出したという。元長官が元社長に問い詰めると、「いずれ話すつもりだった」と釈明したという。
緒方元長官は「寝耳に水だった。今回の取引には私の知らないことがあり、今は元社長への不信感もある」とぽつり。「だまされたとうか乗せられたという感じだ」と厳しい表情で話した。
一方、総連中央本部を巡る虚偽登記の疑いで捜査を進めている東京地検。幹部は「法律家のプロがそう簡単にだまされるとは思えない。元長官の会見での話を鵜呑みにできない」と冷ややかに見ている。
日本経済新聞 2007.6.19 朝刊から抜粋
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総連の弱みにつけた詐欺事件の疑いだな。不動産ブローカーが元公安調査庁長官を巻き込ん信用させて、藁をもすがる総連をだましたということなのだろう。
むしろ、総連はまったくの被害者ではないか。詐欺にだまされた被害者の行為が不正取引とはさすが地検と日本のマスコミだ。
総連は、大事な土地建物を差し押さえられた上、金まで奪われ、不正取引の犯罪者にしたてあげられ、さらに東京都から取引の税まで請求された。
なるほど、敗戦前に日本が支配したアジアの地でやってきたこととはこういう事なのか。
血も涙もないとはこのことだろう。
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