若いときはキャリアを優先させ、後で子供をつくろうと考えて、卵子を凍結保存する女性が増えつつある風潮に関して、専門家らは「取り返しのつかない賭けをしている」と警告している。
王立産科婦人科学会「Royal College of Obstetricians and Gynaecologists」と英国生殖学会「British
Fertility Society」では、女性がライフスタイルに合うように卵子凍結保存のシステムを利用することに関して、医療面と倫理面の両方で疑問を呈しているという。
公式統計によると、2007年に卵子凍結保存をした女性の数は一昨年から2倍以上に増加、平均年齢は37歳だった。そのうちの78%は医療的な理由からではないといわれる。
シェフィールド大学で産婦人科医学を専門にするビル・レジャー教授は「卵子凍結というと、20年代後半から30年代前半の女性が行い、10年から15年後にフリーザーから卵子を取り出して、パートナーの精子を使って受精させ、妊娠するというイメージが浸透しているようだが、それは現実的ではない。凍結された卵子から赤ん坊が生まれるチャンスは、卵ひとつにつき6%以下にすぎず、簡単なことではない」とコメント。
また、ロンドンのユニバーシティ・カレッジ病院で生殖医学を教えるメラニー・デイヴィス教授は「技術はまだそこまで発達しておらず、将来子供を欲しいと考える女性が気軽に利用できるような段階にはない。35歳未満で自然な方法により赤ん坊を生むことをまず考えるべき」と語り、卵子凍結が奇跡を生む技術ではないことを強調している。
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