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釜山新港、韓国初の無人自動クレーン導入(下)

 無人自動システムの原理はやや複雑だ。ターミナルの本館3階にある制御室のメインコンピューターに、船舶や船主から送られてきた貨物に関する情報をあらかじめ入力しておけば、コンピューターが陸揚げするコンテナの情報をガントリークレーン「テンダム」の操縦スタッフに伝える。スタッフはクレーンのモニターに表示されたコンテナを船から陸揚げし、コンテナを受け取ったトレーラーの運転手は、車内に取り付けられたモニターが指定したヤードまでコンテナを運ぶ。そして、ヤード内のトレーラーの位置をリアルタイムで監視する「RFID」が、指定された場所にトレーラーが移動したことを無人ヤードクレーン「ARMGC」に知らせ、ARMGCはトレーラーが到着した場所に自動的に移動してコンテナを持ち上げ、空いている空間に積み上げる。ARMGCがヤード内でコンテナを積み上げている間、ARMGCに取り付けられた監視カメラがコンテナの数量などを把握し、どのヤードにどれだけ空いている空間があるかという情報を制御室のメインコンピューターに送り、コンピューターはこれを基にヤードの状況に関する情報をアップデートして、コンテナを積み上げる新たな場所をARMGCに伝える。

 韓進海運のターミナル側は、ヤードクレーン42基を完全に自動化することにより、24時間の運用に必要なクレーン操縦スタッフを100人ほど削減し、1年間の人件費を60億ウォン(約4億円)ほど節約できる、と話している。

 釜山港湾公社(BPA)によると、アジアで釜山新港の強力なライバルとなっているアラブ首長国連邦のドバイ港、中国の上海港・塩田港(深セン)のヤードでは現在も有人クレーンが使われ、香港やシンガポール、台湾などでも貨物を素早く陸揚げできる「テンダム」のようなクレーンはなく、ヤードの一部のみが自動化されているという。

 BPAのチョン・ヨンファン港湾施設部長は「新港はARMGCやテンダムなどの最先端の設備を導入することで、年間100億ウォン(約6億7000万円)以上の経費を節約でき、それによって陸揚げ料の引き下げや貨物の迅速な処理などを実現することになり、北東アジアでナンバーワンの港へと飛躍できる」と語った。

釜山=クォン・ギョンフン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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