日赤和歌山医療センター(和歌山市)は、脳疾患の救急患者を専門に診る「神経救急部(第3救急科部)」を新設した。同センターは「治療開始が早ければ予後も違う。救急搬入のうち脳疾患の患者は多く、体制を強化した」と説明している。
同センターの救急救命センターは従来、救急救命室(ER)を担当する第1救急科部と、集中治療室を担当する集中治療部(第2救急科部)の体制。脳疾患患者があるとERから連絡し、脳神経外科部から医師が来ることになっていた。今回、同部の中大輔副部長が神経救急部長に就任。通常診療時間で脳疾患が疑われる救急患者が搬送された場合、ERで治療にあたる。
同センターによると、07年度の救急患者数は2万9747人で、うち約2割が脳疾患患者という。重症の脳血管障害や脳卒中の救急搬入が多いといい、「『救急患者受け入れ拒否』という問題を起こさせないとの強い思いを持ち、基本姿勢を堅持していきたい」としている。【最上聡】
毎日新聞 2009年2月7日 地方版