KISTEPが選ぶ「有望技術ベスト10」(下)
◆人間の体を流れる情報
情報も人間と統合される。パーソナル・ライフログ技術により、身体に携帯した電子機器が自ら判断し、その人の1日の生活をすべて記録する。たとえばカメラが装着された眼鏡が目に見えるあらゆる映像を収集し、ネックレスに装着されたマイクと衛星利用測位システム(GPS)は音声と位置情報を集めることになる。
前日の飲み会のことをよく思い出せなければ、左手を眼鏡のコンピューターに、右手をプリンターにかざせばすぐに写真が印刷される。体を流れる弱い電流を利用し、体そのものをケーブルの代わりに利用するという人体通信技術だ。この技術を利用すれば、広告板に手をかざすだけで商品の情報が携帯電話に転送される。現在、韓国と日本が自国の技術を標準化するために激しい競争を繰り広げている。
読みたくない文章やスパム広告なら、コンピューターが自ら遮断してくれる。これは、ユーザーが置かれた状況を自動的に認識し、自らサービスを行うという知能空間認知通信技術のおかげだ。
◆疾病の根本的な治療も可能に
疾病に対する新たな治療法の開発も進められている。がんの中には特定の遺伝子が行き過ぎた作用を行うことで発病するケースがある。その際にはRNA治療剤を利用すれば良い。マイクロRNA(miRNA)が疾病を起こす遺伝子DNAの動きを抑え、ガンを根本から治療するようになる。ソウル大学のキム・ピンネリ教授がこの分野で世界的な研究業績を挙げている。
もし病気が広まって細胞が損傷した場合、患者の皮膚細胞から幹細胞を採取して治療すれば良い。逆分化幹細胞技術だ。心臓病にかかった場合は、この幹細胞で健康な心臓細胞を作り出せばよい。また、ヒトクローン胚とは異なり卵子を利用しなくてもよいことから、倫理問題を問われることもない。日本はこの分野に年間400億ウォン(約27億円)もの研究予算を投じている。それほど世界的にこの分野での競争は激しい。韓国では高麗大学や済州大学が中心的に研究を行っている。
◆太陽光と石炭でエネルギー問題を解決
石油と次世代新エネルギーやリサイクルエネルギーのギャップは、石炭がその埋め合わせをすることができる。低品質の石炭を利用してクリーンエネルギーを生み出す、無公害のエネルギー技術の開発が進められているからだ。石炭をガス状態に作り替える合成石油技術もこの中に含まれる。現在韓国、米国、日本、オーストラリア、中国などで基礎的な研究が進められている。
染料感応太陽電池はビル全体を発電所に作り替える。植物に存在する葉緑体が光を浴びて電子を移動させる原理を利用したもので、形も思い通りだ。製造も透明な電池を印刷するようなものだ。ビルのガラスや壁にこの電池を装着すれば、必要な電力を自らまかなうことも可能だ。
イ・ヨンワン記者
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