【ミュンヘン=桜庭薫】ロシアのイワノフ副首相は6日、ミュンヘン安全保障会議で演説し、世界の核軍縮体制について、米国のオバマ新政権に対し「我々が歩を進める時だ」と呼びかけた。米ロで軍縮促進を主導する考えを示す一方、中・東欧を舞台にした米ロの主導権争いを優位に進める狙いもありそうだ。
イワノフ副首相は第1次戦略兵器削減条約(START1)が年末に失効するのを念頭に、「米新政権の建設的な反応を期待する」と述べた。ロシアが提案する新条約の交渉に米国が応じるよう求めた格好だ。
副首相は米国の中欧へのミサイル防衛(MD)施設の配備計画には改めて懸念を表明。「ポーランドとチェコに米MD施設を配備しないのなら、ロシアも(自国領の)カリーニングラードへのミサイル配備を見送る」と述べ、米国に計画撤回を促した。
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