【ブリュッセル6日共同=信夫聡】オランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)は六日、ロザリン・ヒギンス所長(英国)の任期満了に伴い、日本の小和田恒判事(76)を後任の所長に選出した。任期は三年。小和田氏は同日、新所長に就任した。日本人のICJ所長就任は初めて。ICJの判事十五人でつくる裁判官会議が同日開かれ、互選投票で選ばれた。小和田氏は皇太子妃雅子さまの父。
日本人の主な国際機関トップには現在、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長、国際エネルギー機関(IEA)の田中伸男事務局長が就任している。ICJは国際法に基づく紛争の平和的解決が任務で、国連安全保障理事会などと並ぶ国連主要機関と位置付けられ、小和田氏は国際社会の中で一段と格式の高い機関のトップに就いた。
ICJは一九四五年に設立された。訴訟権を有する当事国は百九十二カ国で、日本は五四年に当事国となった。
小和田氏は、三二年に新潟県で生まれ、五五年外務省に入り、九一―九三年に外務事務次官。二〇〇三年から日本人三人目のICJ判事を務めていた。
また、ハサウネ副所長(ヨルダン)の後任として、スロバキアのペテル・トムカ判事が六日、新副所長に就任した。
ICJの前身に当たる常設国際司法裁判所では三一―三四年、安達峰一郎氏=山形県出身=が所長を務めた。
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