政治

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

麻生首相:「高そうな背広」…老舗で年に4、5着

衆院本会議で代表質問に立つ田中真紀子元外相(手前)。後方は麻生太郎首相(右)と与謝野馨経済財政担当相=国会内で2009年1月29日、藤井太郎撮影
衆院本会議で代表質問に立つ田中真紀子元外相(手前)。後方は麻生太郎首相(右)と与謝野馨経済財政担当相=国会内で2009年1月29日、藤井太郎撮影
麻生首相行きつけの「テーラー森脇」。森脇さんの手にするのは麻生首相の仮縫いのジャケットと金ボタン=東京都港区で2009年2月3日、木葉健二撮影
麻生首相行きつけの「テーラー森脇」。森脇さんの手にするのは麻生首相の仮縫いのジャケットと金ボタン=東京都港区で2009年2月3日、木葉健二撮影

 今のままでは、ただ高そうな背広を着ているおじさんのままで終わる--。田中真紀子衆院議員(元外相)から代表質問(1月29日)でそう揶揄(やゆ)された麻生太郎首相。庶民感覚と離れた言動が批判されがちな麻生さんだが、そのファッションの値段をチェックしてみた。【中川紗矢子】

 東京都港区の明治神宮外苑イチョウ並木のすぐそばに、麻生さん行きつけの「テーラー森脇」がある。80年以上の歴史がある老舗紳士服店だ。社長の森脇精一郎さんは田中議員に「高そうな背広」などと品質の良さを指摘されたことについて「私にとってはうれしいことですけどね」と複雑そうな表情を浮かべた。

 麻生さんが初めて同店を訪れたのは学習院大学生時代の45年ほど前のこと。吉田茂元首相の三女で母親の和子さんに連れられて来たという。以来、スーツ換算にして、毎年4~5着は作っており、スーツやジャケット、ズボンは、いつも同店のものだ。

●英製の金ボタン

 この日も、店舗内のクローゼットには、麻生さんの仮縫い中の濃紺ブレザーがあった。左襟を開いてもらうと、胸付近の内側には「T.A.」と、イニシャルが刺しゅうされている。ブレザーのお値段は27万円。金色ボタンは英国の有名店のもので、麻生さん本人が現地で購入した。宝石箱のような入れ物に入って、ピカピカ光るボタンセットは円換算で6000~8000円。国内ではほとんど手に入らないそうだ。

 麻生さんのスーツはウエストを絞って線をキレイに出す英国スタイル。祖父の吉田元首相や父親も好んだという。やせて見えるように腕部分は細くなっている。シルエットを意識して、ズボンのすそには小さな鉛合金が入り、ジャストフィットで縫製されるためベルト通しはない。そんな麻生さん、首相就任後、ウエストが2センチほど細くなり、ズボンだけで十数本直したという。

 最近購入したのは、30万円以上するというオールカシミヤのジャケット▽矢がすり柄の約16万円のジャケット▽7万~8万円のズボンだった。生地はどれも、英国スコットランドの有名メーカー製だ。スーツは上下で25~30万円という。

●「品良く」意識?

 ファッション評論家のピーコさんは、麻生ファッションの特徴として、「自分はどう見られたいか、というのをはっきり持っている」と指摘する。紺やグレーを好むことからは、品良く見られたいという意識、細めのズボンからは、やせて見られたいという意識が読み取れる。

 一方で、おしゃれには弊害もある。

 「言ってることはちゃらんぽらんなのに、おしゃれだけビシッと決めて、中身が付いて行っていない。こだわっているファッションと、やっていることの齟齬(そご)があって、より反感を買うのでは?」と指摘する。

毎日新聞 2009年2月7日 12時22分(最終更新 2月7日 13時33分)

政治 アーカイブ一覧

 

特集企画

おすすめ情報