福岡市西区で飛び降り自殺した市立内浜中学校1年の男子生徒(13)が体罰を受けていた問題で、同中の薄(すすき)公治校長は6日、学校での様子や教員、同級生らとのかかわりを調べた報告書を母親(39)に手渡した。学級担任は昨年6月、同級生への「いじめ行為」を問いただした際に体罰を行い、自殺の3日前には忘れ物への制裁としてげんこつを加えていたが「学校の指導や友人関係と、死亡とのつながりは考えにくい」と結論付けた。
報告書は、遺族の求めに応じて作成。学級担任など教員については校長が、生徒については学級担任らが聞き取りを行い、全7ページにまとめた。
昨年6月に担任がひざをけるなどしたことについては「行きすぎた行為があったと考えているが、指導全体については必要だった」とし「それ以降、変わった様子はなく、普段通りの学校生活をしていた」と説明した。
校内で会見した薄校長は「(自殺するほど生徒が)重いものを抱えていたなら、その言動が表れていたはず。それがなかったため、学校生活が直接の原因とは考えにくい」と述べた。
母親は市役所で会見し「学校側の報告は、何があったのか知りたいというこちらの要求に応えていない」とする一方「原因はだれも分からない。二度と悲しいことが起こらないよう学校側と対話を続けたい」と話した。
=2009/02/07付 西日本新聞朝刊=