北九州市小倉北区で平成19年7月、園外保育の帰りに2歳の男児を車内に残して熱射病死させたとして、業務上過失致死罪に問われた私立中井保育園(廃園)元職員の上田麻貴(27)、小林英美(29)両被告の判決で、福岡地裁小倉支部は27日、それぞれ禁固1年、執行猶予3年(いずれも求刑禁固1年)を言い渡した。
判決理由で三浦隆昭裁判官は「徐々に気温が上がっていく車内で、どのような思いで死に至ったのか、その苦しみは想像も困難。極めて基本的な注意義務に違反しており、過失は重大だ」と2人の責任を指摘した。
一方で、(1)園長に保育知識はなく、子供を預かる重責を理解していたとは到底いえない(2)保育内容・安全管理のマニュアルもなかった−などとずさんな保育体制を厳しく批判。「組織として園児を守る体制は全く整っていなかった」と執行猶予の理由を述べた。
判決によると、両被告は19年7月27日午後、公園からワゴン車で連れ帰った全園児の降車確認や帰園後の点呼を怠り、気温が30度を超える炎天下、車内に浜崎暖人ちゃんを約4時間放置し、熱射病で死亡させた。
この事件では、暖人ちゃんの両親が元園長らに計約5800万円の損害賠償を求める訴訟を起こし、同支部で係争中。
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