高山原住民
清国による２１２年間の台湾の統治時代には漢人が台湾への移民することを禁止されていて、移民することの多くは密航だった。
しかも密航する漢人が台湾海峡の黑水溝という暗流を越えることは難しく、多くは海の藻屑と消え、たとえ台湾にたどり着いても、その漢人の多くは風土病で死んだ。そしてかりに生き残っても、その漢人の多くは彼らの国へ戻りました。
台湾人が中国人と明らかに違うのは親切で正直で明るい性格なところなのです。
それはＤＮＡを検験した台湾基督教長老教会馬階医院医師の論文報告で中国の漢民族と台湾人は完全に違うと証明もされています。
台湾人が中国人というのは、世界大戦後、台湾を占領した国民党軍の蔣介石の推し進めた誤導敎育によっての嘘です、真實の事ではありません。
現在、台湾では中国語も使われているので「台湾人は中国人」と日本人でも誤解しています。
台湾各地の地方名は80%が平地平埔族語と高山原住民語に由来する名前です。
原住民族語による地名の正名運動の成功例として言えるのは； 台湾桃園に在る有名な拉拉山自然保護区も以前蒋介石が達観山自然保護区と名前を付けていましたが、現在の名称に改めたことです。 拉拉(ララ)というのはタイヤル族の言葉では「美しい」と言う意味なのです。
日本時代高山原住民10族(いままで14族が確認しまいました。)の分佈図
台湾政府認定14族
1・サイシャット族（賽夏族）
2・タイヤル族（泰雅族、アタヤル族とも）
3・タロコ族（太魯閣族、トゥルク族とも、アタヤル族に含められることもあったセデック族の一支）
4・アミ族（阿美族、アミス族とも、大部分は自称を流用してパンツァハ族とも呼ばれる）
5・ツォウ族（鄒族）
6・サワ族（邵族）
7・ブヌン族（布農族）
8・プユマ族（卑南族）
9・ルカイ族（魯凱族）
10・パイワン族（排湾族）
11・タオ族（達悟族、雅美族（ヤミ族）とも）
12・クバラン族（噶瑪蘭族）
13・サキザヤ族（撒奇莱雅族）
14・セデック族（賽徳克族）
これらの民族のうちサキザヤ、クバラン、サワを除く、11民族は、民主化以前の中華民国政府により「高山族」「山地同胞」「山胞」とも呼ばれていた。サキザヤは以前は認定されず、クバランとサワは一般的には平埔族に分類された。「高山族」は、蘭嶼に住むタオ族およびアミス族を除き、基本的に台湾本島の山地や山裾に居住し、人口は計40万人ほどで、台湾の総人口の2%ほどを占める。「台湾の原住民族」という言葉は、狭義には彼ら「高山族」を指す。
台湾高山原住民の言語は各種族毎に異りて甲の種族の言語は乙の種族に通せず、又其一種族の内にも部族によりては多少の差異あり、タイヤル族の内タイヤル系統のものとサデッカ系統のもの、ツオウ族の阿里山系統のものと四社群方面のもの、パイワン族のうちパイワン及チヤリセン系統のものと。卑南族の如きは其差比較的多きものあり、ブヌン、アミ、ヤミの各族は地方毎に大差なし、彼の台湾平地原住民の固有言語を見るも台湾高山原住民に於けるが如く、數派の言語より成り種族の異ると共に相異れり、而して是等台湾高山原住民族の言語は要するに馬來語系に屬するものなり。
台湾高山原住民族の地理學的分布は本島の中心なる埔里社より東西に緯線を劃し、其以北にはタイヤル族、其以南より新高山の東部及南部にはブヌン族、新高山の西部にはツオウ族、この南方知本主山附近より南部一帶にはパイワン族、東部地方の花蓮港より臺東の平野一帶及恒春方面の一部にはアミ族、卑南の東方四十浬を距る太平洋の孤島なる紅頭嶼にはヤミ族の原住民族占居す、以上のうちアミ族とヤミ族を除くの外は總て高地帶にありて、部落の垂直的位置ブヌン族最も高くタイヤル族之に亞ぎ、パイワン、ツオウの両族亦之に次ぐ、ブヌン族の部落にして最高は海抜六千四百尺の地に及び其耕作地は七千尺に達するものあり、部落は高山渓谷の間に散在すれども渓谷に沿へるが故に、其位置は地圖上に想像するが如くに高からず、其部落が海抜六千尺以上に出でざるものは氣象の關係上農作に不利なると、一は生活上にも不便多きが為めなり、海抜五千尺内外の高地に在る部落は比較的少數にして、四千尺級の地之に亞ぎ三千尺級より二千尺程度に在る部落最も多數を占め、千尺内外の地にあるもの亦尠からず、高地帶に在る部落の氣象は垂直的高度の關係より熱帶的ならず、此影響は彼等の農作物の上にも及ぼし低度の山地に在るものと、高地帶に在る部落とは作物の種類に於ても自ら之を異にせり、アミ族とヤミ族は平野に居住せるが故に總てに於て熱帶的なり、試みに山地に於ける各族の占有地域を見るに、其人口に比し面積の廣きことタイヤル族を以て第一としブヌン、ツオウ両族之に亞ぎ、パイワン族の地最も狭くして人口に比し土地の比タイヤル族の約三分の一にも充たず。
台湾高山原住民族を分布の地理上より南北に分ち、北部にあるタイヤル族を北台湾高山原住民族と稱し其他の各族を南台湾高山原住民族と稱せり、「理蕃事業」
前に此二者は進化の程度に於ても著しき差異ありて、北台湾高山原住民族最も原始状態を存し且つ頑冥にして殺伐を好み、首狩の風盛に行はれたるが故に、過去に於ける「理蕃事業
」に如きも其主力は此種族の部落に注がれたるものなり、南台湾高山原住民族に至つてはブヌン族及パイワン族の一部に猶野生の脱せざるものあるも、ツオウ、アミ、ヤミの三族の如きは温順にして殺伐ならず、殊にアミ族とパイワン族のうち卑南
族及恒春地方部落の一部は地理上の關係より著しき進化を示し、農業の如きも本島人の下級農民と譲らざる程度にまで發達せり。
1670年、イタリヤ畫家 O.Dapperは油絵を書かた台湾原住民のすかた。
1670年、イタリヤ畫家 O.Dapperは油絵を書かた台湾原住民のすかた。
1670年、イタリヤ畫家 O.Dapperは油絵を書かた台湾原住民のすかた。
台湾高山原住民族の悪習――出草（首刈り）
出草とは敵蕃または異種族（漢人）の首を切りとるために蕃社の外に出ることをいう。戦鬥と異なるところは、その目的が單に敵の首をとるだけであって、敵の勢力をそぐためではないことである。敵の財物を略奪することもあったが、これは出草の主 たる目的ではない。
首狩りの風習は殺人のための殺人ではなく、一種の宗教的儀礼であり、同時に法律的慣習であった。もともとマレー系人種の一部とくにサラワク、ボルネオなとに住んでいるダヤク族の首狩りと高山族との首狩りは、理由、方法、祭事などでよく似ているといわれている。
台湾高山族は首狩りの理由は、①勇気を示すため、②妻が姦通した時や盗まれた時、③爭いの結着をつけるため、④侮辱をうけた時、⑤恋人の関心を得るためなどさまざまてあった。
台湾原住民族にはタオ族全体とアミ族の一部を除く、言語の通じない人間の首を狩る風習がかつてあった。これを台湾の漢人や日本人は「出草」と呼んだ。その名のとおり、草むらに隠れ、背後から襲撃して頭部切断に及ぶ行為である。狭い台湾島内で、文化も言語も全く隔絶した十数もの原住民族集団が夫々全く交流することなく、モザイク状に並存し、異なる部族への警戒感が強かったためである。漢民族による台湾島への本格的移住が遅れた要因として、この出草の風習を抜きに語ることは出来ないという説もある。首狩りそのものが「一人前の成人男子」の通過儀礼とされ、或いは狩った首数により同族社会集団内で尊厳を誇示した。ただしこの習慣はほかにもマレー系、南米先住民族の一部などにも見られる。出草は史料から見る限りでは、弓矢や鉄砲などによって対象者を背後から襲撃した後に刀で首の切断におよぶもので、対象と勇敢に格闘を行った末に首を切り取るというケースはあまり見られない。なお獲得した首は村の一所に集めて飾る。彼等の論理では対象者は領土侵犯を行なった者である。しかし、日本植民地時代初期には、沖縄からの行商の女性達が山野にて出草の被害者となるケースが多かった。乙未戦争で日本が台湾を征服し、領有してからは、台湾総督府による理蕃政策により首狩りの風習は犯罪行為として厳しく禁じられた。しかし一方で原住民族蜂起の鎮圧に際して、蜂起を起こした原住民に対する出草を容認（黙認）する事を見返りに他の原住民に協力を求めるケースも多かった。特に霧社事件後に行われたタイヤル族鎮圧の際には、霧社事件で日本人殺害にかかわった者の首に高額の懸賞金をかけ、出草を煽った。霧社事件が沈静化して以降、出草は減少する。これは出草に対する取り締まりが厳しくなった事もあるが、皇民化教育・理蕃政策の進展によって「日本人」「文明人」というアイデンティティを持たされた原住民らが、出草という風習を放棄したとする説もある。台湾総督府史料などを元にした説によると明治29年（1896年）から昭和5年（1930年）までの間、出草の犠牲者はおよそ7000人に上るとされている。なおこれらの犠牲者は、原住民同士によるものを除くと、多くは漢人であったようである。