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山梨県のがん拠点病院、更新できず半減へ

2009年02月07日

■がん拠点病院、山梨厚生病院も更新困難/専従医師確保などネック

 山梨県の峡東医療圏の地域がん診療連携拠点病院に指定されている山梨厚生病院(山梨市)は6日、がん拠点病院の更新申請を断念する方針を明らかにした。09年10月の申請期限までに、新要件で求められている化学療法や放射線療法の医師ら専従医療従事者を確保できないほか、放射線治療機器の導入も採算が合わないと判断した。県内に四つある拠点病院は、二つになる見込みとなった。

 千葉成宏院長によると、08年3月に出された厚生労働省の通知を見た際、新要件を満たすことは難しいと思ったという。例えば、新要件での化学療法は「専任の専門的な知識および技能を有する医師を1人以上配置」などとされている。新要件にある「外来化学療法室」を設け、看護師と薬剤師は専従にしているが、医師は、外来患者の診察・治療や手術もしており、専従は難しいという。緩和ケアチームについても、現状では医師、看護師ともに兼任。放射線治療装置を導入しても、採算が合う患者数が見込めないという。

 千葉院長は「人材確保の面で厳しい」と言う。同病院では現在、放射線治療が必要な患者は、山梨大学医学部付属病院や県立中央病院に紹介し、連携しながら対応している。「遅れている放射線療法を普及させる考えは理解できる。県がん診療連携拠点病院には新要件が必要だが、他の地域拠点病院は複数の医療機関で連携ができていればいいのではないか」と指摘する。

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