超高齢化による社会保障費の増加
(1)社会保障費に安定的な財源を
厚生労働省「国民医療費の状況」を見ると、2006年度の国民医療費は33兆1276億円(前年度33兆1289億円)、1人当たりの国民医療費は25万9300円で、医療費の国民所得に対する比率は8.88パーセントとなり前年度の9.04パーセントより減少が見られる。しかしながら、今後の高齢化率を鑑みれば、当然増加傾向にあることは否めず、厚労省は病床数を削減し、社会保障費の抑制を3000億円程度実施する見込みである。これに対しては公共事業費を社会保障費(医療)に充てることで解決の糸口が見える可能性がある。
また、寄付制度の拡充などで複線化も視野に入れた予算の制度設計も重要である。
(2)コストに見合った医療
現時点の保険点数は、医療事業のみでは採算が取れない状況である。医療事業で発生した「いわゆる赤字」を、民間医療法人では不動産収入などで、自治体病院では一般会計から補てんしているのが現状であり、コストに見合った保険点数に見直しが必要である。一方で無制限な医療費の増大は避けなければならない。病気にかからない、かかりにくくするために予防医療の充実・普及、義務教育や社会教育によって医療知識の向上を図る必要がある。