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「ハケンの時代は終わった」嘆く派遣会社社長(2/2ページ)

2009年2月6日17時19分

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 「会社の厳しい現実を理解してもらうしかない」

 この不況が始まる前は「派遣制度があることで、安い労働力を求めて海外進出を計画するメーカーを国内にとどまらせ、日本の雇用を守っている」という自負があった。愛知には、トヨタ自動車を中心とした自動車産業があり、派遣といえども、高賃金を求めて全国から派遣労働者が集まった。

 社長は、派遣先に「人が足りない」と言われると、東北や沖縄を回って集めた。

 しかし、会社をめぐる状況は昨秋から一変した。「正社員にならないか」と派遣先に認められていた社員たちですら、「契約を打ち切られそうだ」と相談に来る。

 5年前、社長はタイに現地法人をつくった。国内で請け負った機械設計などの業務を人件費の安いタイでまかなう。製造業への派遣を禁止する法改正の動きがあるが、その時は海外での事業を拡大するつもりだ。

 「製造業もどんどん海外に出て、国内の失業率はいずれ欧米並みになるのではないか。派遣先も負け、僕らも負け。『ハケン』というビジネスモデルは終わった」

 社長の嘆きだ。(広島敦史)

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