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トップページ > SS > 御神の剣士 > とらいあんぐるパニック第三話 『新たなる転校生 女神の登場』



 今までのあらすじ

 宗助&かなめが海鳴にやって来て、恭也と共に不良達をやっつけた。
 更に閑話で一騒動〜
 以上〜♪

 ……詳しくは第一話&二話&閑話を読んでくださいm(_ _)m←あらすじ書くのが思いっきりヘタレ



 それでは第三話、いよいよミスリルの艦長登場♪ ご期待あれ。






とらいあんぐるパニック第三話
『新たなる転校生 女神の登場』



 9月15日(月)
   風芽丘学園
      AM9:52

 ひとまず一騒動、不良とのゴタゴタを解決した恭也達。
 彼等は無事、平穏な日々を取り戻していた。

「恭也、二年生に転校生が来たの知ってる? 銀髪の可愛らしい子なんだって」

 一時間目と二時間目の合間の放課。
 忍が何処からか情報を仕入れてきたようで、喜々として俺に話しかけてくる。

「銀髪? フィリス先生の知り合いか?」

 俺の脳裏によぎったのはフィリス・矢沢という、病院の先生だ。
 御神流の鍛錬などでよく怪我をする俺と美由希がお世話になっている医者である。

「さあ? そこまでは分かんないけど……」
「ふむ。そうか」

 最近は転校生が多いな。
 まあ、賑やかになることは悪くない。
 
「悪い人物じゃなければいいな」
「そうね」

 俺と忍は、のんびりと平穏な会話をしていた。
 この先、騒動が待っているとは知らずに。






 時間はしばし遡る。
 朝、アパートの一室で目を覚ました相良宗助は、本能的に嫌な予感を感じていた。
 胸が激しく動悸する。

「……何故だ?」

 自問自答するが、答えは出ない。
 それはもはや、長年戦場で培ってきたの戦士の直感と言って良かった。
 何か理由があるわけではない。けど、何かが起こるのが分かる。
 こういう時は、何が起きても対処出来るよう完全武装するしかないか。
 俺はクローゼットからそれを取り出し着込んだ。
 これで安心だろう。

 ドンドンドン!!

「ソースケ! 学校に行く時間よ!」

 かなめが玄関のドアを叩く。
 俺を呼びに来たのだ。
 俺は鞄を持って、家を出ることにした。




「ソースケ! なんか言ったらどうなの!」

 あたし、千鳥かなめは返事がない宗助の態度に不満だった。
 だが、鍵がかってある上、宗助の部屋の鍵を持ってない以上、彼が出てくるまで玄関の前で待つことしかない。
 時間にして一分ほど経っただろうか。

 ガチャ

「何で黙ってたの? 起きてるならきちんと返事――」

 開いた玄関から出てきたそれを見て、あたしは言葉を失う。

「ふもっふ(おはようだ、千鳥)」

 それ――ボン太君は何事もなかったかのように挨拶をしてきた。

「あんたは……」

 あたしは拳をわなわなと振るわせる。

「ふも?(どうかしたか? 千鳥)」
「朝っぱらから金ちゃんの仮装大賞にでも行くつもりかーーーーーー!!!!」

 ズゲシッ!

 あたしはボン太君を着込んでいる宗助に、思いっきり回し蹴りを叩き込んだ。

「ふもっふふもっふふもっふ(千鳥、金ちゃんの仮装大賞ってなんなのだ?)」

 微動だにしないボン太君は、なにか批判らしきモノを言っているように思う。
 けど、『ふもっふ』では全くワカラナイ。
 あたしは『はぁ〜い』と言うイクラちゃんの言葉を理解出来るサザエさん家のタラちゃんではないのだ。

「だああああぁぁぁぁぁ! 日本語で喋れーーーー! と言うか、普通の制服に着替えてきなさい!!」

ズガン!!

「ふ、ふもっふ(りょ、了解)」

 宗助はあたしの剣幕(飛び膝蹴り)に押されたらしく、大人しく部屋の中へと戻っていくのだった。





 あたしは学生服に着替えた(ボン太君を脱いだだけかも知れないが)宗助を連れて、高校を目指して住宅街を歩く。
 今日の宗助はおかしかった。 

「一体どうしたの? ソースケ。いつも以上のむっつり顰めっ面をして」
「問題ない」
「問題ないって……だったらどうして朝からボン太君なんて着てたの?」
「なんとなくだ」

 宗助はそわそわとしていた。
 その様子は誰が見たって分かる。

「今日、なんかあるの?」

 あたしのその言葉に、宗助は首を横に振る。

「いや、特に予定はない。ないのだが……」
「だが?」
「漠然としていて確かなことは言えないが、なにか起こる気がするのだ。なにかがな……」

 こういう時の宗助の予感はよく当たる。
 今日、きっと何か起こるに違いない。

「そっか。でもさ、ソースケは強いんだから、ちょっとぐらい何かあっても大丈夫だよ、きっとね」
「千鳥……ありがとう。俺の事を励ましてくれたんだな」

 真顔で宗助に感謝され、あたしは照れる。

「なっ、馬鹿! そんなわけないでしょ! ともかく急ぐわよ! このままだと遅刻しちゃうから!」
「そうだな、了解だ!」

 あたしと宗助は微かに苦笑いを浮かべながら、学校への道のりを駆け足で進むのだった。




「ふ〜、間に合ったね」
「ああ」

 ホームルームの五分前に、あたしと宗助は2年B組の教室に滑り込んだ。

「任務達成。それじゃ俺は席に着く。千鳥、また後でだ」
「うん、それじゃあね〜」

 あたしと宗助は別れて、それぞれの席に着いた。
 そして、鞄から教科書などを取り出して机の中に放り込む。

「あ、千鳥さん、学校生活は慣れた?」
「ええ、何とか」
「そう、それは良かったわ」

 キーンコーンカーンコーン

 ――近くの席に座っているクラスメイトと談笑をしていると、チャイムが鳴った。

 ガラララララ

「おっはよ〜! みんな〜、ホームルーム始めるから、ちゃんと席に着いてね〜」

 担任の藤村大河先生が、元気よく教室に入ってくる。
 
「先生、おはようございます」
「おは〜」
「タイガー先生、おはよ〜」
「あっ! それは言うんじゃない!」

 藤村先生は自分の『大河』と言う名前が好きではない。
 そのことを言うと……


「うがーーーーーー! タイガー言うなーーーーー!!!」


 魂から叫ぶのである。
 それ故に面白いから、みんな弄ぶだが……。

「先生! ホームルームが進まないから、我に返ってください!」
「はっ!? そうだったわね」

 学級委員の言葉で我に返る先生。 

「えっと、いきなりだけど今日は転校生を紹介するわね〜。はいっといで〜」

 ガラララララ
 
 銀髪の小柄な少女が教室に入ってくる。

「えっ?」

 あたしは目を丸くした。
 な、なんで彼女がここに!?
 
「テレサ・テスタロッサと申します。一週間ほどの短期留学ですが、日本の学校には興味があったので無理を言って、学校に通わせてもらうことにしました。短い間ですが皆様、宜しくお願いします」

 ぺこりと彼女は頭を下げた。




 俺、相良宗助の内心は焦りまくりだった。

(た、大佐殿!?)

 自分が爆弾犯という汚名を着せられ、海鳴に飛ばされてしまった落ち度。
 大佐殿はそこを追求しに、わざわざやってきたに違いない。
 額から流れ落ちる一筋の汗。俺はゴクリと唾を飲み込む。

「それじゃあ、テレサさんの席だけど――」
「あ! 相良さん、かなめさん、ここの学校でも宜しくお願いしますね♪」

 ぶんぶんと大佐殿は、こっちに向かって手を振る。

「相良、あの人とはどんな関係なんだ?」
「二股?」
「うわ〜、まさか相良の女か!?」

 どよめく教室内。
だが、俺はそれどころではなかった。

「相良君達の知り合いみたいね。それじゃあ席は相良君の隣で。隣の人、一個席を後ろに下がって〜」
「分かりました」

 俺は何気なく千鳥の方に視線を向けると、千鳥の顔は微妙にひきつっていた。
 何故だろう。なんだか怒っている気がする。

「あの……相良さん、短い間ですけど仲良くしてくださいね」

 隣の席について、ニッコリと微笑む大佐殿。

「イ……イエッサー」

 俺は確信していた。
 仁義なき、戦いの日々が始まったのだと。



とらいあんぐるパニック第三話 『新たなる転校生 女神の登場』 完


 後書き

 ようやくテッサ登場〜♪
 でも、今回はちと短めです(^^; まことに申し訳ありません。
 と、次回から序盤の山場に入ります!今まではギャグ系でしたが、いよいよシリアスに突入です。
 気長にまったりとお待ちくださいませ。
 それでは〜、次回作でまたお会いしましょう〜


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管理人 Fits (fits_1k@hotmail.com