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ブラジル人学校の子、半数が退学 親失業、学費払えず

2009年2月6日19時16分

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 不況で失業が相次ぐなか、ブラジル人学校の子どもの半数までが退学――。こんな実態が文部科学省の会合で報告された。日系ブラジル人の親が企業から解雇され、学費が払えなくなったとみられる。公的な助成の乏しさから、学校も今後閉鎖するところが増えそうだという。

 報告されたのは、ブラジル人学校の関係者や行政の担当者らが集まって5日、文科省で開かれた会合。埼玉県鴻巣市でブラジル人学校を運営し、同種学校の協会の代表も務める吉村ジュリエッタさんは、全国に約90あるブラジル人学校のうち39校分の実態をまとめた。それによると、昨年11月以降、在籍者6367人の46%に当たる2928人が退学したという。日本の公立校に編入した子は1割程度にとどまり、4割は帰国したという。

 岐阜県庁の担当者によると、同県では1月末までに約3千人の日系ブラジル人が失業し、県内7校のブラジル人学校で児童・生徒が約4割減った。250人程度の子どもは行き先がなく、毎日家で過ごしているとみられる。この担当者は「言葉の問題もあって、公立校で受け入れても対応できる教師がおらず、高校進学もままならない。自治体だけで対処するのは困難で、国による緊急の対応が必要だ」と話す。(上野創)

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