「旅行記その1 ウィーン市内編」

皆さんどうも初めまして。
皇太子ルドルフ役をやらせて頂きます、伊礼彼方(いれいかなた)です。
実は4月下旬、初めてオーストリア・ウィーンへ勉強と観光(?!)を兼ねて行ってきました!
そしてこの度、この場をお借りして旅行記をやらせて頂ける事になりました!
「旅行記」と言っても、ハプスブルク家やウィーンの事は皆さんの方が知識も豊富だと思うので(汗)、一緒に旅行に行った気分で楽しんで頂けたら嬉しいです。

旅行に行く前にちょっとだけ自分の話をさせて下さい。
去年12月末にこの役が決定してから僕はものすごく「ハプスブルク家」について勉強し始めました。と言うのも、やる以上知識がなければいけないのは当たり前なんですが、実は「エリザベート」というミュージカルはおろか、「帝劇」という言葉すら知りませんでした。
だから勉強をしていく途中、この大舞台のすごさを知った時は腰が抜けそうになりました。おかげで今は沸々とミュージカルへの想いが湧き出ています。そしてこの大舞台の一員に選んで頂けた事を心から感謝します。

それでは、4泊6日のウィーン旅行へ、Let's go〜!!
まさかオーストリアがドイツ語圏内だったとは思いもしなかったのでビックリ(大汗)。
英語がまったく通じないと知人に聞いてたので、絶望的な思いで「地球の歩き方」と
「ドイツ語がびっくりするほど話せる本(CD付き)」の二冊を買って行きました。
だからと言って英語が話せるわけでもなく、街中で外国人の方に声を掛けられるたび、笑顔で両手を広げて「アイドンノー!」と返すのが得意技である。

さて、びっくりするほど聴き慣れないドイツ語で頑張って覚えた単語はこちら、
「ダンケ・シェーン」(ありがとう)
「グーテン・モルゲン」(おはようございます)
「ギープト・エス・ヒーァ・アイネ・トアレッテ」(この辺にトイレはありますか?)
とりあえずトイレが見つかれば、万が一津波(非常事態)に襲われても大丈夫でしょ!


シュテファン寺院前
これで準備は万端!飛行機の中で「シシイ」の映画を観ながら成田から11時間。
早速ウィーン空港からタクシーでシュテファン寺院に直行。
着いた瞬間、圧倒されました!
古くに建てられたこの寺院は残念ながら写真じゃ伝わりきらない圧倒的な存在感と歴史を感じました。ちなみにシュテファン寺院周辺が一番人で溢れていました。人気スポット?!


大聖堂内
ステンドグラスが美しい大聖堂内。
この寺院の地下室の墓所にはハプスブルク家歴代皇帝の心臓以外の内臓が収められているとの事。小さな地下室には柩が二つと壷がいくつも並んでいるだけで、残念ながら説明書きなどもなく、誰が誰のかよく解らなかった。一切光が入らない場所のためか、背筋が凍るほどひんやりとしてて気味が悪い。それもそのはず、引率してくれたガイドさんの話によると、ここの地下には昔「ペスト」という病気で亡くなった約2000人の遺体を6メートルもの穴を掘って無差別に捨てていたらしい。穴が遺体でいっぱいになると、その穴を塞ぎ、改めて穴を掘り、遺体を捨てる。それを繰り返す。隙間からのぞくと今もはっきりと山積みになった、数え切れないほどの骨でいっぱいでした。華やかな歴史や建物ばかりに圧倒されていた時に、こんな歴史の事実を目の当たりにしてとても衝撃をうけました。なんだか沈んだ気分と、
長い間寒気が引かなかったので、写真には収めなかったです。


シュテファン寺院頂上
さて次はシュテファン寺院の頂上!
ここからはウィーンの街が一望できます。天気もよくスカッと快晴!綺麗でしょ?
ちなみに写真左の塔(南塔)は修復工事中でした。残念!


紋章
そして頂上からしか見ることが出来ない、屋根に描かれたハプスブルク家の紋章「双頭の鷲」。
双頭じゃないけど(笑)。
地下の気味の悪さとはうって変わって、爽やかな風が頬を撫でました。
この瞬間、ものすごい安堵感に包まれた。


フィアカー御者さん
気分が良くなったところで、今度は当時使われていた「フィアカー」(馬車)にて40分の街探索ツアーに出かけました。
シュテファン寺院〜王宮沿い〜リンク通りを走り〜シュテファン寺院に戻るコース。
御者が一つ一つの建物を丁寧に英語で説明してくれるんですが、何を言ってるのかさっぱりわからない状態が40分間(汗)

この時点で「英語は通じないから」という知人からの情報は脆くも失せ、 ドイツ語の本を片手に笑顔で「オ〜イエイ!ビューリフォー!ベリー、グー!ナイス!」と知ってる限りの単語を並べてごまかしたのは言うまでもない(笑)

昔は戦争から国を守るために城壁だったこのリンク。今は環状線として道路になっている。
そしてこのリンク沿いに魅力的な建物がいっぱい建っている。
19世紀末、フランツ・ヨーゼフ皇帝は大改造を行ったそうです。


国会議事堂
リンク通り沿いの建物でとにかく目を奪われたのがこいつ!
ここはギリシャか?!と思うような、旧ローマ帝国とかでよくみるような建物。
これこそが国会議事堂。
「ここに入れる人ってやっぱすごいんだろうな」と思っていたらいつの間にか通り過ぎていて・・・後日写真だけを撮りに来ました。ははっ(苦笑)。


アウグスティーナ教会
フランツとエリザベートが結婚式をあげた、あのアウグスティーナ教会!
ここの地下にはハプスブルク家の、今度は心臓だけが葬られている。
一般公開はされていないので見ることは出来なかったです。
なぜこんなバラバラに埋葬されているのか、僕の知識にも、ガイドさんの説明にそこまではなかったのですが、天使とライオンに見守られて、銀の壷に眠っているらしい。


王宮
王宮(ホーフブルク)、帝国官房棟。
1806年、神聖ローマ帝国消滅が宣言された後には皇帝一家の居住空間に改装され、 19世紀半ばからはフランツ・ヨーゼフ皇帝の住まいとなった。
実際に王宮内を見て知ったんですが、フランツ・ヨーゼフ皇帝は謁見の間や人を通す部屋などは見栄えのいい派手な造りにしていたが、自分しか足を踏み入れない寝室や書斎などはとても質素な造りに改装させていたそうです。
それを知って、「皇帝も人間なんだなぁ」としみじみ思った。
もしかしたら皇后エリザベート以上に普通の暮らしに憧れていたのかもと思うと、なんだか複雑な、少し寂しい想いにも駆られました。

フィアカーツアーが終って街を歩いていたら、先ほど通った帝国官房棟の右側に着いた。さっきは気付かなかったけど、1階にはカフェがあったので入ってみました。
このカフェの名前を聞いてみたら「カフェ・ホーフブルク」というらしい。
「おい!そのまんまじゃん!」と突っ込みを入れたくなる気持ちを抑えながら、迷わず頼んだのは「シシイ」と書かれたコーヒー名。
自分、ミーハーなので・・・(恥)。


待ち合わせ広場
ちょっと忙しないが、こんな感じで一日目が終わりました。
2日目は一番行きたかったマイヤーリンクへ行きます!

ガイドさんとの待ち合わせの広場にて。ちょっとドキドキな俺。
「マイヤーリンクに行ける!」と思うと夜も眠れないかと思ったが、時差ボケと疲れで意外とぐっすり眠れちゃいました。

さて、次回は「カプチーナ教会〜マイヤーリンク編」です。
続。



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