「旅行記その3 シシィがいっぱい!」
こんにちは、伊礼彼方です。
早いもので3日目。市内観光の日がやって来ました。
マイヤーリンクにも行き、ルドルフの棺にも思いを伝えたし、あとはウィーンの建物を見物しーの、博物館に行きーの、勉強しーの、たくさん観光するぞー!
まずはシェーンブルン宮殿から見学に行きますが、「ちょっと待った!!!」
その前に僕の話を聞いて下さい。
時刻は、朝の8:30。
天気はあいにくの雨。朝食も済ませた後の出来事でした。
ウィーン市内から少し外れた所にシェーンブルン宮殿があるので、ホテルでタクシーを呼ぶことにしました。もちろん得意の英語で(笑)
伊礼 「ハーイ!グッドモーニング、タクシープリーズ!」
ホテルマン 「なんとかなんとか10ミニッツ、ぺらぺらぺらぺら。」
伊礼 「オー!OK!!センキューセンキュー!!」
てな具合で流暢に会話を終わらせました。なんの迷いも心配もしてませんでした。
それから何分が経ったんだろう?まあ、これだけは言えます!
間違いなく「10ミニッツ」ってやつはとっくのとうに過ぎてましたね。
まあ、僕も大人ですから、何かの間違いが生じたか渋滞で遅れる事ぐらいは予想がつきました。とはいうものの、僕には限られた時間しかないし国も違うので、ここは穏和に抗議しました。
伊礼 「エックスキューズミー、タクシー、10ミニッツ、オーバー。ワンモーアー、タクシープリーズ」
ホテルマン 「・・・・・」
これと言って謝罪とみられる言葉は何一つなく、ホテルマンは何事もなかったかのように受話器を手に取り、改めてタクシーを呼んでくれました。
・・・・・。
まあまあ、皆さんの気持ちは良く解りますが、僕も大人ですから、ここは深呼吸してロビーのソファーに戻りましたよ。
・・・・・・・・・・。 それから5分。(イラ)
・・・・・・・・・・。 さらに5分。(イライラ)
・・・・・・・・・・。 そして5分後(爆発)
ついに堪忍袋の緒が切れました。
「ヘーイ!ユー!!!10ミニッツ、ノー!すでに40ミニッツ過ぎてるよ!ヘーイ!アイム、ノー、タイム!!!どうなってるんだ!」
結局40分待たされました。
英語が喋れたらこてんぱんに言ってやったのに!ちくしょう!思い出したらまた腹が立ってきたぜ!
はい、深呼吸。スゥー、ハァー。とまぁ、出だしは最悪でした。電車に乗ればよかった〜(汗)。
シェーンブルン宮殿 |
|
それでは気を取り直して、出発進行〜!
ホテルからタクシーで約25分、シェーンブルン宮殿に着いた頃には雨も止んでいて、太陽が少し顔を覗かせていました。国が違えど空は一緒ですね。気をよくして一歩足を踏み入れると・・・
なんだ、このドでかい建物(敷地)は!こんな規模の建物は初めて見ました。
私の記憶が正しければ・・・たしか、入り口から一番奥の建物まで3キロくらいあったと思います。(ひろっ!)
シェーンブルン宮殿庭園 |
|
見学コースには、20部屋コースと40部屋コースがありました。僕はもちろん40部屋全て見学するコースを選びました。部屋の大きさは様々で、映画の舞踏会シーンで見るような500〜600人が踊れるくらいのホールのような大きな部屋から、6畳くらいの小さな部屋まで色々ありました。余談ですが、見学コースとして見て回れるのは主に2階で、宮殿の3階か4階には、現在働いていらっしゃる公務員の方達が住んでいるんですって。こんなドでかい宮殿に住む気分はどんなでしょうかね?
40部屋一つ一つ感想を述べていたら本一冊出来上がりそうなので、重要な部屋だけ紹介しますね。ちなみに撮影禁止だったのでごめんなさい。
あれ?自分の写真、手を広げてるのが多いですね。何ででしょうか?(癖?)気のせいです(汗)。
入場券とパンフレット |
|
フランツ・ヨーゼフ皇帝の謁見の間、執務室、寝室。皇帝の関わっている全部屋にはエリザベート皇后の写真や絵が飾られていました。心底ひとりの女性としてエリザベートを愛していたのが伝わってきました。そして第1回目にも書きましたが、皇帝のプライベートな部屋はとてもシンプルに改装されていました。やはり皇帝とは言え、ひとりの人間ですね(安心)
それにくらべてエリザベート皇后の部屋は全て派手で豪華な感じ。彼女自身の拘りや美意識の高さを物語ってるようでした。食事もまともに取らず一日に約3時間の器械体操をこなす彼女の信念には圧倒されます。部屋には器械体操の道具や家具がずらっと置いてあって、舞台の中でもエピソードとして語られてますが、なんだか生々しかったです。
面白いのが、皇后お気に入りの書斎の間には、誰の目にも触れずいつでも抜け出せるように秘密の螺旋階段があったそうです。今は取り外されており、説明用に模型が飾られています。シシィらしいですね。

テーブルマナー |
|
拡大図 |
|
あと、興味深かったのがマリー・アントワネットの部屋に、家族の食卓が再現されていました。
ハプスブルク家のテーブルマナーは独特で、普通はフォークやナイフは左右の外側からそれぞれ取るように置かれますが、ここでは全て右手側だけにに並べられています。
何故なのか、理由までは聞けなかったのですが(汗)きっと意味があるんでしょうね。
それと、ナプキンの折り方も特徴的で、うまく表現できないのですが・・・よく見る三角や尖がった折り方ではなく、サザエさんの頭のように丸く3つの輪っかから出来ています。そしてその輪っかには小さなパンが入れてありました。この折り方は、代々受け継がれていて、これを折れる職人さんは今ウィーンでたった一人だけだそうです!!
マリア・テレジア像 |
さあ、次はシシィ・ミュージアムに行きましょう!
ミュージアムに向かっている途中、目に留まってしまったので1ショット。
博物館前 |
今度はマリア・テレジアの左側に陣取ってる博物館を入れて記念に1ショット。
でも博物館には入ってないです!(汗)
SISSI's Kiss! |
さあ、シシィ・ミュージアムに着きましたが、ここでも写真を撮る事が出来ませんでした。
だからせめて、シシイにキッス!ちなみにミュージアムショップの袋です(笑)。
シシィの資料達 |
|
シシィ・ミュージアムは、一言でいうと大人のお洒落なバーみたいな薄暗い雰囲気の空間でした。
彼女が残した手紙やメモ、着ていたドレスや愛用していた扇子など・・・彼女にまつわる色んなものが置いてありました。さすがシシィ・ミュージアム!
一番驚いたのはシシィの等身大の像でした。長身172センチで体重45〜6キロ、そしてウエスト50センチという細さを生で体験して度肝を抜かれました。
そしてさらに衝撃を受けたのが、オリジナルではなかったのですが、暗殺された時に来ていた黒いドレス。息子ルドルフを亡くしてから、シシィはずっと喪服を着ていたと言われてるので、自分が殺されてしまう時も黒いドレスだったんですね・・・。それとルキーニが凶器に使ったヤスリ(これは本物)。
本で見てるとわりと大きなイメージを持っていたんですが、実際は15センチくらいの小さなヤスリでした。男の手で握ったら隠れてしまうくらいだから、まさかこんな湖のほとりに暗殺者が潜んでいたなんて気付かないですよね。そしてそのまま船の上で息をひきとってしまうシシィの、なんともあっけないような壮絶な運命を改めて感じました。
あと、こんなエピソードもガイドさんから聞きました。
実はシシィの有名な星型の髪飾り、皆さんもよく知ってますよね?
この髪飾りとティアラとネックレスなどが10年前位に盗まれて、当時大事件になったそうです。無事、最近見つかったとのことですが、その中にはオーストリア=ハンガリー二重帝国が成立された時に付けていたルビーのアクセサリー一式も一緒に盗まれたそうです。ちなみに今飾られてたのは、スワロフスキーのイミテーションでした。それでもかなり綺麗でしたけど。
本物は厳重に保管しているそうです。

王冠1 |
|
王冠2 |
|
宝石つながりとして・・・。展示品の中でやはり目を引いたのがハプスブルクの王冠たち。
これも聞いた話ですが、由緒ある王冠は皇帝が代々引き継ぐので、王冠の数自体はそんなに存在しないらしいです。なるほど。デザインひとつひとつに歴史を感じながら、美しさに感動〜。
ルドルフも現実には手にする事なかったこれに、どんな思いを馳せていたのかな・・・。
黄金の洗礼盤 |
|
これ何だと思います?洗礼盤。黄金ですよ!(全部純金、重さを想像されよ)
本に面白い事が書いてありました。
『これは、いわゆる幼児洗礼の時の洗礼盤で、可愛い王子のためにこの水盤を作った王様の気持ちも分からぬではないが、これじゃ重くて持ち上がらないし、例えやっと持ち上げても、下手をすりゃ幼児の頭を潰しかねない。だからこれは作られたきり使われていない。このほのぼのとした感じは、この美術館全体に溢れている。』・・・・・・(汗)!!

ここにもシシィ |
|
ここまでシシィ |
|
さて、観光といえばやっぱりお土産!すごくないですか?!これ。
その名も「SISSI TALER」シシィ・チョコレートなんですが(笑)箱にも勿論シシィの肖像画。
箱を開けたらこれまた、まばゆいばかりのシシィだらけ!そして、またその中身のチョコレートにも
シシィの顔が(笑)!!・・・かなり甘かった(汗)。
こんな感じで無事に3日目のウィーンを満喫しました。
そして、いよいよ明日は最大の目的だった「エリザベート」観劇へむけて、
ウィーンからドイツへ渡ります。いざ、ベルリンへ!!
次回、最終回「エリザベート観劇編」です。では、また。 |
|