Print this Post Article Lists Back

黄禹錫式クローン研究、いったん見送り

生命倫理委員会、2‐3カ月後に承認か

 3年ぶりに再開されるとして注目を集めていた、いわゆる「黄禹錫(ファン・ウソク)方式」の“ヒト胚(はい)性幹細胞(ES細胞)”研究の承認が、「倫理的手続き上の理由」でいったん先送りとなった。しかし指摘された問題が修正された場合、2カ月から3カ月後には承認される見通しとなり、3年の空白期間に他国に先を越されたES細胞研究が再開される可能性が高まっている。

 大統領直属の「国家生命倫理委員会」(以下、委員会)は5日、抱川中文医科大学車病院の鄭炯敏(チョン・ヒョンミン)教授の研究チームが、昨年10月に委員会に提出したES細胞研究承認申請に対し、「倫理的手続き上不十分な点があるため、研究計画書を修正してからもう一度申請するように」として、承認を見送った。再審議は2カ月から3カ月後に行われる予定だ。

 委員会は「ES細胞の確立とそれを通じた細胞治療剤の開発」という研究テーマが非常にあいまいな点と、病院が卵子の寄贈者から「研究目的でのみ卵子を提供する」という同意書を再び受ける必要があると判断した点を、承認見送りの理由とした。車病院は不妊治療に用いられて残った冷凍保管中の卵子を複製研究に利用する計画だった。

 委員会はまた、「申請書には“研究のために卵子1000個を使用する必要がある”とされているが、技術開発を進めることで、使用する卵子の数をできるだけ抑える必要がある。また、病院内に設置された“機関生命倫理審議委員会(IRB)”には倫理問題を専門にする人物を参加させるように」と指摘した。これについて鄭教授の研究チームはこの日、倫理的手続きを修正して再び審議を受ける意向であることを明らかにした。この結果、早ければ2カ月後には韓国でES細胞の研究が再開される見通しとなった。委員会は昨年8月に黄禹錫元ソウル大学教授がスアム生命工学研究院名義で提出した研究承認申請書について、「研究責任者の資格に倫理的な欠格事由がある」として承認しなかった。

 黄禹錫教授による論文でっち上げ問題で韓国の幹細胞研究が挫折していた間に、米国、中国、英国などは素早く研究に取り組んでいた。まだ人間の体細胞クローンによる幹細胞の開発に成功した国はないが、その前段階となるクローン胚の開発には、5カ所から6カ所の研究所ですでに成功している。幹細胞は複製された胚から抽出して作られる。

呉允煕(オ・ユンヒ)記者

キム・チョルジュン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る