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義和団の乱にみる中国の暴動 Part 3

2008/03/21 13:28

 

興味の有る方は、最初からどうぞ。

= 中国の暴動 =


この義和団の乱。
私は歴史的事実としてよりも、中国民衆の暴動の典型として大変興味があります。以前に 「江湖」について説明しましたが、そこでも似たような事が起こっていたのがおわかりになると思います。


まず、飢饉、災害、弾圧などによって統治体制からあふれ出した人々は、その行き先を宗教団体や秘密結社に求める傾向が強いという事を感じます。中国政府が、宗教的な集まりを認めないというのは、こうした中国社会の習性を理解しているからなのではないでしょうか。私たちが考える「宗教の自由」という観念とは、全く別の次元だと思えるのです。


そして、統治体制から人々があふれ出すときは、何らかの大きな社会変化が有ったときですので、受け入れ側の組織は、急激に膨張し、その組織自体も統制がとれなくなって行くようです。


その組織に集まった人々は、社会に失望している人たちであり、大きな不安を抱えているはずです。
その不安や失望が彼らを自暴自棄にし、ヤクザ的な集団に変質したり、暴徒化するのではないかと思えます。


こうして何らかのきっかけで暴徒化が始まると、もう手のつけようがありません。
暴徒化、ヤクザ化を防ぐには、こうなる手前の段階で手を打つ必要があるように思います。


暴動は、中心となる人物が出てきて行動を起こすのは間違いないようですが、その指導者も軍事や外交の専門家などではなく、その組織において人望が有る程度の基準で選ばれているようです。よって、そこには戦略も何もなく、その方針は二転三転しています。


義和団の乱においても、少数の組織が集まりだんだんと大きい組織に成っていったようですが、軍隊のような統制はとれていないようです。


その時々で、その方針が代わり、目の前で何か起こるとそれに群がり、情勢が見えなくなります。
中国の暴動の恐ろしさは、非常に本能的な行動であり、行動している本人達でさえどうなるのか、どうしたいのか解っていないと思える事です。だから、全く抑止力が働きません。


義和団の乱についても、結局本人達は破壊行為をしただけ。
数日で八カ国軍に鎮圧され、なんの処理もできず、清朝の李鴻章が交渉に当たっております。
無謀にも八カ国軍を相手にしたために、その辛丑条約では、非情とも思える賠償を請求されております。


その中には、いろいろな条項がありますが、賠償金は、4億5000万両(年利4パーセント、39年間の分割払い) にも上ります。当時清朝の年間予算が1億両足らずで有った事を考えるとこの時点で中国はすでに植民地化したといっても過言ではないでしょう。


私は、中国の共産党を支持している訳ではありませんし、いろいろな問題があるとも感じます。
しかし、西側諸国がいうような人権を今の中国に適用するのは、非常に危険であると感じます。


都市に住んでいる人、田舎に住んでいてもしっかりと教育をされている人たちが人権について政府に要求する気持ちも解ります。しかし、それは、中国のほんの一部の人たちであり、大部分の中国人民は、上記のような集団性を未だにもっていると思えすのです。

報道された最新の統計によれば、参加者数50人以上の大規模抗議デモは、


2005年:8万6000回
2006年:9万4000回


もあるそうです。


これは、中国政府に問題があることを示していると同時に、中国民衆がいかに暴動を起こしやすいかという事を示す数字でもあると思います。中国政府が、かなり強硬な手法で押さえつけているから起こるとも言えますが、強硬な押さえつけをしていてもこれだけの暴動が起こるとも考えられなくはありません。


そして、中国共産党の他に今、中国を統治できる政府がない以上、共産党を頼るしかなく、共産党がいい方向に進むように我々も協力していくしかないのでは無いかと、私は思ってしまいます。


日本人で、共産党政権をむやみに攻撃する人がいますが、もし中国で共産党がなくなり、中国が混乱を始め、中国各地で暴動が起こったら、その時日本は、もう他人ごとではいられなくなります。多々影響が日本にも及ぶでしょう。難民が日本へ大量に押し寄せ、犯罪者が町中にうようよとわき出る事も十分考えられるのです。


欧米人がいろいろな問題を中国に押しつけますが、中国でなにか起こっても彼らにとっては対岸の火事でしかありません。我々日本人は、好むと好まざるとに関わらず、中国という大国の影響を受けざるえない位置にいることを決して忘れてはいけないと思います。

カテゴリ: 世界から  > 中国・台湾    フォルダ: 中国事情

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コメント(13)

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2008/03/22 00:59

Commented by 刑天 さん

共産党が自分らの暴力による政権奪取を正当化するために、過去の暴動を全て「起義」と称して肯定する歴史観を人民に植え付けた以上は、人民が暴力的になって当然ではないでしょうか。

それで共産党に協力すべきというのは彼らのマッチポンプにまんまとはまっている気がするのですが。

韓国はノムヒョン政権がいわゆる太陽政策で北朝鮮政権が良い方向へと向かうよう協力しましたが失敗に終わりました。歴史に学ぶということは大切だと思います。

 
 

2008/03/22 09:00

Commented by shinoper さん

To 刑天さん
>人民が暴力的になって当然ではないでしょうか。
人民が暴力的なのは、共産党にも多少の責任はあると思いますが、歴史的な民族性と私は考えております。答えのない問題ですので、皆さんの主観にお任せするしかないでしょうけど。

>それで共産党に協力すべきというのは彼らのマッチポンプにまんまとはまっている気がするのですが。
あまり懐疑的に中国を見ると、誤った見方をしてしまうと思いますが。

>韓国はノムヒョン政権がいわゆる太陽政策で北朝鮮政権が良い方向へと向かうよう協力しましたが失敗に終わりました。歴史に学ぶということは大切だと思います。

こういうのは、歴史に学ぶとは言わないと思いますよ。政策は、一度で何でもかんでも成功するはずがありません。何度も失敗して、成功の道を探す者です。「失敗は成功の母」と考えなくては、なにも新しいことなどできません。って私は思いますが。石原都知事にも失敗にめげず頑張って欲しいと私は思います。

 
 

2008/03/22 11:12

Commented by nhatnhan625 さん

>こういうのは、歴史に学ぶとは言わないと思いますよ。

ここの意味がわかりません。どうしていわないんでしょうか?
なんども失敗したら国がなくなります。

歴史ではありませんが、「隣国を援助する国は滅びる」(マキャベリ)ともいいます。
隣国、しかも独裁国家を支援して幸せになった国があるのでしょうか?

義和団についても
「氷点週刊」に掲載された論文の内容が公の場で議論されるような国になら援助もしようがあると思いますが・・・。


最近の中国共産党は「うちが崩壊するとどうなるかわかりますか?」といって援助を引き出しているようですから、そういう彼らの手にまんまとのってやることはないと思います。「どうぞご自由に崩壊してください。うちはもう準備できてます」という言葉をかけてやるほうが、いくらか彼らの行動をかえることができるのではないでしょうか。

 
 

2008/03/22 12:40

Commented by 刑天 さん

>人民が暴力的なのは、共産党にも多少の責任はあると思いますが、歴史的な民族性と私は考えております。

中国共産党は過去の民族性に起因する文化を次々と否定しておきながら、その暴力的側面は肯定したんです。

責任云々ではなく、そんな政権に協力して何のメリットがあるのか?ということです。

>あまり懐疑的に中国を見ると、誤った見方をしてしまうと思いますが。

内政で行き詰まると近隣諸国を利用したがるのはそれこそシナの歴史的な民族性で、そこから推測するに中国政府に協力しても良いように利用されるだけではないでしょうか。それほど懐疑的ではないと思いますが。

>政策は、一度で何でもかんでも成功するはずがありません。何度も失敗して、成功の道を探す者です。

失敗してもその原因を考察しなければいたずらに何度も失敗するだけです。過去の成功や失敗から学ぶことこそ歴史を学ぶということです。なぜ過去数年の試みに教訓を求めることを歴史に学ぶとは言わないのでしょうか。歴史とは過去の積み重ねであり、小さな過去は小さな歴史そのものです。

太陽政策の失敗から、そもそも専制政治に協力することそのものが間違っていたのではないか?と考えることも大事です。そこをとばしてとにかく協力を、と呼びかけるのは大変胡散臭いものだと考えざるを得ません。

 
 

2008/03/22 14:33

Commented by shinoper さん

To nhatnhan625さん
なんか泥沼の議論になりそうですので、コメント控えさせていただいます。
あしからず。

 
 

2008/03/22 15:00

Commented by shinoper さん

To 刑天さん
>中国共産党は過去の民族性に起因する文化を次々と否定しておきながら、その暴力的側面は肯定したんです。

民族性って、共産党がどんなに頑張っても変えれるものではないと思います。

>責任云々ではなく、そんな政権に協力して何のメリットがあるのか?ということです。

「いい方向に進むように」という前提がついております。
誤解されませんように。

>内政で行き詰まると近隣諸国を利用したがるのはそれこそシナの歴史的な民族性で、そこから推測するに中国政府に協力しても良いように利用されるだけではないでしょうか。

その危険性は、感じます。
それをしっかりと認識して、対応するしかないと思います。
私が言いたいのは、何でも中国の共産党がすることは間違いだという安易な決めつけの事をいっているつもりです。刑天さんのお考えがよくわかっておりませんが、コメントを読ませて頂く限り私の考え方とそんなに違いがないように思います。ちょっと、私の言葉か足りないのかもしれません。

>失敗してもその原因を考察しなければいたずらに何度も失敗するだけです。過去の成功や失敗から学ぶことこそ歴史を学ぶということです。なぜ過去数年の試みに教訓を求めることを歴史に学ぶとは言わないのでしょうか。

これも私の説明不足かもしれませんが、まだ歴史として認識するには時期早々ではないかと思うのです。

なんかコメントのやりとりで、議論や説明をするのは、無理があるように感じます。

 
 

2008/03/22 17:43

Commented by nhatnhan625 さん

わたしのコメントはスルーということでしょうか?

書き込むのも迷惑なら書き込みませんが?

 
 

2008/03/23 00:53

Commented by 刑天 さん

>なんかコメントのやりとりで、議論や説明をするのは、無理があるように感じます。

では二点だけ。

>私が言いたいのは、何でも中国の共産党がすることは間違いだという安易な決めつけの事をいっているつもりです。

共産党のここは間違いだけどここはあっているといった風に具体的な内容のエントリを書いていただけると互いの誤解が減ると思います。


>なんか泥沼の議論になりそうですので、コメント控えさせていただいます。

sinoperさんは心のどこかでnhatnhan625さんを泥沼の議論を仕掛ける人だと決め付けていませんか?
それでは“中国共産党=悪”の決め付けを非難するご自分の論旨が説得力を失ってしまいませんか?
もちろん議論を強要するつもりは全くありません。

 
 

2008/03/23 06:57

Commented by shinoper さん

To nhatnhan625さん
すみません。コメントいただくのはありがたいのですが、仕事の合間にブログ書いてますので、ご理解ください。

収束に向かうご意見と話が広がるご意見とがあると私は思うのですが、nhatnhan625さんのコメント話が広がりすぎるような気がしました。

コメントに対応するとブログかけなくなりそうなので。

 
 

2008/03/23 07:06

Commented by shinoper さん

To 刑天さん
>共産党のここは間違いだけどここはあっているといった風に具体的な内容のエントリを書いていただけると互いの誤解が減ると思います。

私のブログあくまでもエッセイという形で書かさせていただいておりますので、論文のようにはっきり書いてしまうのは、すこし興ざめかと。

ただ、貴重なご意見には感謝しております。
私なりに考えて見ます。

>sinoperさんは心のどこかでnhatnhan625さんを泥沼の議論を仕掛ける人だと決め付けていませんか?
>それでは“中国共産党=悪”の決め付けを非難するご自分の論旨が説得力を失ってしまいませんか?
>もちろん議論を強要するつもりは全くありません。

上記に理由は書かせていただきました。
ブログでいろいろな自分なりの考えを書くのは楽しいものです。
それに対するコメントに対して義務も負わなくてはいけないのかもしれません。
が、返信のコメントでいい加減なことも書きたくありませんし、かといってコメントに対していろいろ考えているとブログがかけそうもありません。
ご理解いただけるとありがたいのですが。

 
 

2008/03/23 19:20

Commented by よもぎねこ さん

>人民が暴力的なのは、共産党にも多少の責任はあると思いますが、歴史的な民族性と私は考えております。

 中国人が暴力的で、それは民族性だと言うなら、日本は中国との友好など期待するべきではありません。 暴力団員との友好関係みたいな話です。
 暴力的な民族と、それを暴力的に弾圧する政府では、救いがありません。
 他民族の暴力性を矯正する事のできる外国なんかありません。

 日本は国家と国民の安全の為に、十分な軍備を持ち、このような暴力民族との関係を避けるべきです。

 
 

2008/03/24 07:57

Commented by shinoper さん

To よもぎねこさん
>中国人が暴力的で、それは民族性だと言うなら、
そういう前提があったとしても

>日本は中国との友好など期待するべきではありません。
という結論は単純すぎると思いますけど。

一言で民族性といってしまうので、話がややこしくなりますが、中国人全体としてみるとそういう感じを受けますし、実際にそういうことが起こりやすいといのが私の中国に対する感じですが。かといって100%の中国人がみんな同じではありません。

それに、そういう行動を起こす前には、そうなる原因がちゃんとあるというのは、記事にも書いているとおりです。予防はできると思います。

> 他民族の暴力性を矯正する事のできる外国なんかありません。

同感です。

> 日本は国家と国民の安全の為に、十分な軍備を持ち、このような暴力民族との関係を避けるべきです。

そんなことができるのであれば、そうするに越したことはないと思いますが、現在の経済状況で可能だと思われますか。ちょっと非現実的なご意見だと思いますが。

 
 

2008/03/24 09:11

Commented by よもぎねこ さん

 中国人が暴力的で、それが民族性だから、中国共産党の暴力的な統治も当然と言うのが、貴方の持論ですね。

 それなら日中戦争も欧米の植民地支配も全然悪くないですね。 日本も欧米も確かに強権的な支配をしましたが、中国共産党ほどの大量殺人はしていません。

 実際当時の租界など、中国政府などよりずっと公正な政治が行われたので、大勢の中国人がワザワザ移住しました。 上海も大連も元々は荒蕪地でしたが、外国の統治で大都市になったのです。
 重慶爆撃などに至った日中戦争も、本来正規の条約に暴力的な違反を繰り返して、外国人への虐殺までした事への当然の処置です。

 中国で共産党員が300人も虐殺されたら、中国政府は300万人ぐらい殺すでしょう。 チベットでも大勢殺したでしょう。

 実際、イギリスが統治を続けた香港や、日本統治時代の台湾は中国本土より遥かに豊かで、公正な社会でした。 それでも中国共産党ほど、大量虐殺はしませんでしたが。

 中国は巨大化してして、これに対応するのは容易ではありません。 しかしそれなら馬鹿馬鹿しい贖罪意識なんか宣伝しないで下さい。 相手は悪質な暴力団だと考えて対応しないとこっちが殺されます。

 私も中国と直ちに関係切れるとは考えていません。 日本が外交を駆使して、軍備を強化して、この暴力組織と対抗しるしかないと思っています。

 
 
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