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友人と姉の卵子提供で2組出産 不妊治療団体加盟施設で

2009年2月5日21時39分

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 不妊治療の専門クリニックでつくる団体は5日、加盟2施設で、友人と姉から卵子提供を受けた体外受精が2件実施され、男児2人が生まれたと発表した。厚生労働省審議会の見解に反する実施となる。治療医でつくる学会も姉妹らからの提供を検討する予定で、法整備なしに既成事実が積み重なっている。

 国内では、諏訪マタニティークリニック(長野県)で、姉妹や友人から卵子提供を受けた体外受精が明らかになっているが、それ以外の実施がわかったのは初めて。全国20施設でつくる「日本生殖補助医療標準化機関(JISART)」が同日会見した。

 高橋克彦理事長らによると、出産したのは45歳と37歳の女性で、通常よりも早く閉経してしまう「早発閉経症」。昨年、広島HARTクリニック(広島県)とセントマザー産婦人科医院(福岡県)で、友人と姉に卵子提供を受けて体外受精を実施した。母子ともに健康という。将来的に、子どもに卵子提供者について告知するという。

 すでに別の2組が今回のような体外受精を希望し、倫理委員会に申請を出しており、今後も実施例は増えそうだ。

 非配偶者間の体外受精について厚生労働省の審議会は03年、第三者からの卵子・精子の提供を認める一方、親子関係が複雑になるとして「提供者は匿名とし、兄弟姉妹間は認めない」とする報告書をまとめた。法的規制はない。

 このため、JISARTは独自ルールを策定。今回も倫理委員会で、卵子提供者に提供が強制されていないことや、金銭の授受がなかったことを事前に確認したという。

 また、日本生殖医学会の倫理委員会も近く、知人や兄弟姉妹からの精子・卵子を使った体外受精を認めるとする報告書を理事会に提示する。一方、親子への支援体制などが整う前に実態が進むことに懸念を持つ人々もおり、日本産科婦人科学会などは法整備を国に要望している。(大岩ゆり)

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