常勤医20人以上退職か 岩手県立病院医師不足が深刻な岩手県立病院で、20人以上の常勤医が3月末までに退職する可能性のあることが5日、分かった。既に辞めた医師も含めると、年間退職者は50人前後に上ることになる。入院患者受け入れの縮小を迫られる病院も出るとみられ、22病院5診療所を抱える県医療局は医師の引き留めに懸命だ。<入院・外来の縮小必至> 医療局によると、退職の可能性があるのは、定年(65歳)の5人を除き20―30人。病院や岩手医大など派遣元の医局に退職を申し出たり、相談したりしている。 既に退職した24人を含めると、年間退職者は全常勤医(530人)の約1割に達する。2006年度は30人(うち定年2人)、07年度は39人(同)で、増加傾向が進む形となる。 退職意向を示している医師はほとんどが内科医で、30代後半から40代が中心。退職後の進路は開業医や専門性の高い他県の民間病院勤務などを考えているという。 千厩病院(一関市)では内科医3人のうち、後期研修医の1人が3月末に大学に戻る。もう1人も4月末に県内の公立診療所に移る意向で、「入院や外来を抑制せざるを得ない」(医療局)状況になっている。 大学病院も医師不足で後任の医師派遣は期待できない状況。医師が多い中央病院(盛岡市)が応援診療するしかないが、既に重い負担になっており、千厩病院以外にも診療縮小が広がりそうだ。 前年度の47人から59人に増えた後期研修医も、指導する中堅医師の退職増が続けば、減少に転じる恐れもある。 医療局の岡山卓医師対策監は「退職者増に医師確保が追い付かない。最後まで引き留めに努め、退職者を一人でも減らすしかない」と危機感を募らせている。
2009年02月06日金曜日
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