【東京】産科診療所整備に助成 中央区 聖路加が来年開設予定2009年2月6日
中央区は五日、聖路加国際病院(明石町、日野原重明理事長)が来年六月開設を予定している産科・分娩(ぶんべん)施設の整備に、新年度と二〇一〇年度の予算で、それぞれ六千万円を補助すると発表した。施設では助産師が中心となって患者のケアにあたるが、こうした産科診療所は珍しいという。 (越守丈太郎) 行政が特定の民間病院に助成するのも異例だが、矢田美英区長は「身近な地域で安心して出産できる産科施設の整備は、まさに多くの区民の不安を払拭(ふっしょく)するものだ」と述べた。 施設のベッド数は十九床で同病院の敷地内に建てられる。地上七階で延べ約千七百平方メートル。総工費は十数億円かかり、日野原理事長は一般から寄付も募りたいとしている。 産科など医師三人と助産師四十五人が常駐するが、施設で受け付けるのは、自然分娩を希望する妊婦で、助産師が中心となって産後までケアする。入所中の妊婦に帝王切開などの医療行為が必要となった場合には、同病院に約五分で搬送、対応できる態勢を整える。 出産費用は、同病院で約九十万円かかるところを、施設では六十万円程度に抑え、当初は年間五百件の分娩を扱うことを目指す。 日野原理事長は「産婦人科の医師も志望する学生も少ない。“お産難民時代”といわれる中で、大学院で教育を受けた助産師たちが中心の産科診療所を突破口としたい」と抱負を述べた。 <一般会計> 678億円(前年度当初比10.4%増) <主な事業> ▽商工業融資拡大22億3100万円 ▽共通買い物券発行拡大5億8900万円 ▽保育園整備4億1300万円 ▽中央小・明石小の改築3億3100万円 ▽コミュニティバス運行2億6400万円 ▽プラスチックごみ全区回収2億4500万円 ▽産科・分娩施設整備に助成6000万円
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