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【Re:社会部】膨らんだ山

2009.2.5 23:12
浅間山噴火 山頂からは引き続き噴煙が…=長野県軽井沢町、2月3日午前8時(鈴木健児撮影)浅間山噴火 山頂からは引き続き噴煙が…=長野県軽井沢町、2月3日午前8時(鈴木健児撮影)

 長野、群馬両県にまたがる浅間山と、鹿児島市の桜島が相次ぎ噴火しました。浅間山については噴火前に気象庁が「噴火が切迫している」と予想を発表し、的中させました。

 その兆候の1つは、山の中に潜むマグマの活動で「山が膨らんでいる」ことを計器がとらえたものです。観測された変化はわずかでしたが、エネルギーを蓄えてはち切れそうになっている漫画のようなイメージが頭に浮かびました。

 漫画ならいいですが、火山が噴火の準備をしている事態は実際には脅威というほかありません。気象庁によると、浅間山では噴火が繰り返されており、天明3(1783)年に火砕流などで1151人が死亡したのをはじめ、過去に多くの犠牲者を出してきました。

 今回の噴火では幸いにして人的被害はありませんが、南関東にまで火山灰が届き、その威力を改めて実感しました。

 日本には世界全体の約1割にあたる108の活火山があります。日本に暮らす以上は、距離の差はあれ、火山と共生することになります。噴火は地球から熱エネルギーが放出される現象であり、コントロールはできません。

 忘れたころに「巨大な爆弾」に変貌(へんぼう)する火山の前では、人間が無力であると感じざるを得ません。“対岸の火山”だと甘く見ず、謙虚に動向に関心を持つことが大切です。(雄)

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浅間山噴火 山頂からは引き続き噴煙が…=長野県軽井沢町、2月3日午前8時(鈴木健児撮影)
浅間山噴火 山頂から噴煙がのぼる=長野県軽井沢町、2月3日(鈴木健児撮影)
噴火によって黒い堆積物が着いた火口付近 噴煙はあがり続けていた=群馬・嬬恋村、3日午前(鈴木健児撮影)
噴火によって黒い堆積物が着いた浅間山火口付近 噴煙はあがり続けていた=群馬・嬬恋村、3日午前(鈴木健児撮影)
噴火によって黒い堆積物が着いた浅間山火口付近=群馬・嬬恋村、3日午前(鈴木健児撮影)
噴火によって黒い堆積物が着いた浅間山火口付近=群馬・嬬恋村、3日午前(鈴木健児撮影)
浅間山の噴火=2日(本社ヘリから、大井田裕撮影)
噴煙を上げる浅間山。奥は群馬県嬬恋村=2日午前9時7分
 噴煙を上げる浅間山の火口=2日午前9時11分
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