麻生首相は5日の衆議院予算委員会で、小泉内閣当時、郵政民営化には反対だったと明言した上で、今の郵政民営化の形を見直すべきところに来ていると述べた。 民主党・筒井信隆議員「麻生首相に確認したいんですが、(施政方針演説は)小泉、竹中路線との決別を宣言?」
麻生首相「ひずみに対応するためには、改革をさらに進化させる必要があると。市場経済原理主義との決別ならその通りです」
筒井議員「(郵政)分割民営化は見直すと」
麻生首相「小泉首相の下で賛成ではなかったんで、私の場合は。たった一つだけ言わせてください。みんな勘違いしているが(総務相だったが)郵政民営化担当相ではなかったんです」
現在の与党の議席は「郵政民営化は改革の本丸だ」と訴えて圧勝した4年前の総選挙の結果で、麻生首相の発言は自分が寄って立つ議席の根拠を否定するものとして今後も波紋を広げそうだ。
自民党では、郵政民営化見直しの風潮は強いが、小泉改革路線を支持している議員は少なくない。その路線の違いが党内の亀裂にも直結していて、最大派閥の町村派は5日、小泉改革を支持し、反麻生の代表格である中川元幹事長が派閥のトップから事実上降格され、麻生首相を支持する町村前官房長官が会長になることが決まった。感情的なしこりが残るのは必至となった。
定額給付金や消費税問題での自民党の内紛はいったん収まっているが、このままの支持率で総選挙が近づけば、亀裂が大きなひび割れに発展する可能性もある。