児童へのわいせつ行為は「性的殺人(Sexual Homicide)」の終着駅だ。
昨年、死刑を言い渡されたチョン・ソンヒョン被告(40)は京畿道安養(キョンギド・アニャン)の小学生、ヘジン、イェスルちゃんらにわいせつ行為をする以前に、成人を対象に犯罪を行っていた。だから「ソウル市郊外で06年以降、女性7人を次々と殺害した容疑で逮捕されたカン・ホスン容疑者(38)が捕まらなかったとすれば、未成年者に被害者が拡大されたはずだ」という見方が出ている。
児童を相手にした性犯罪の拡大を防ぐため、「専門家が児童の供述を調べ、分析する制度」が作られる。警察庁は4日、わいせつ行為の被害を受けた13歳未満児童のための「専門家参加制」を今年3月から実験的に実施する方針を決めたと発表した。韓国心理学会は警察と業務協約を結び、犯罪心理の専門家などを提供する。京畿(キョンギ)大学の李水晶(イ・スジョン、犯罪心理学)教授チームは分析プログラムの開発を担当した。
特に野党民主党の崔英姫(チェ・ヨンヒ)、与党ハンナラ党の李恩宰(イ・ウンジェ)両議員は「暴行を受けた被害児童への取り調べに専門家が加わり、これを検察と裁判所が活用するよう義務付ける法律改正案を、2月の国会で発議する」と明らかにした。幼すぎて供述が難しい被害児童のために「代わりに証言を行う専門家制度」が導入されるのだ。
◇供述のワナに陥った被害児童=07年3月17日にキム・ヨンソンさん(仮名)は娘スヨンちゃん(仮名、当時5歳)の下着から血痕(けっこん)を見つけた。性器の周辺に小さなできものがたくさんあった。産婦人科専門医は性病の一種「コンジローム」に感染したと診断した。キムさんは暴行被害児童のための専門機関から「わいせつ行為による被害が確実だ」という意見も確保した。
娘は学習塾の運転手を加害者だと指摘した。しかし昨年7月、西部地裁は無罪の判決を下した。裁判を担当した判事は「児童の供述に、(わいせつ行為の)時間、場所が一致しない部分があった。こうした場合、判事個人の判断と心証に頼ることになる」と説明した。
専門家が「性犯罪の被害児童」供述をサポート(2)