民主党の小沢一郎代表が「4月衆院選」を明言し、地方行脚などの選挙準備に本腰を入れ始めた。5日には、与党内にある「09年度予算成立直後の解散」論に同調する形で、持論を訴えた。ただ国会は与野党攻防の真っ最中で、解散の前提となる予算成立までの道筋は明確にはなっていない。民主党内では「小沢氏の狙いは党内引き締め」(中堅)との見方がもっぱらだ。
「予算の成立と執行にはタイムラグ(時間のずれ)があり、その間の選挙が国民生活に一番障害を与えない」。小沢氏は5日、東京都内で記者団に「4月衆院選」の根拠を問われ、持論を展開した。その上で「麻生(太郎首相)さんはよく分からないが、自民党、公明党の普通の人であればそう思うんじゃないか」と述べた。
先月31日、小沢氏は全国郵便局長会(全特)の会合で「予算が通った3月に解散、4月に総選挙」と発言。その後も同じ趣旨の発言を繰り返している。5日、抜き打ちで訪れた東京都町田市内の候補者事務所でも「4月選挙に向けて態勢を整えろ」と指示した。
民主党は1月末、全候補者を決めるための全国情勢調査を終了した。今月10日の常任幹事会で3次公認を決め、空白区を除いて公認作業を終える方針で、小沢氏の抜き打ち事務所視察も今後加速するとみられている。
【渡辺創】
毎日新聞 2009年2月5日 19時46分(最終更新 2月5日 20時16分)