東京・銀座の宝石店で07年6月、総額2億8400万円相当のティアラ(王冠型の髪飾り)とネックレスが奪われた事件で、警視庁組織犯罪対策2課は5日、いずれもモンテネグロ国籍のハジアフメトビチ・リファト(40)とイェルシッチ・ラドバン(38)の両容疑者を強盗傷害容疑などで国際手配した。
組対2課は、短時間に高級貴金属だけを奪う手口などから、欧州などで宝石強盗を繰り返している犯罪組織「ピンクパンサー」のメンバーとみている。
手配容疑は、07年6月14日午後5時ごろ、中央区銀座4の宝石店に客を装い侵入。女性店員3人に催涙スプレーを吹きかけ軽傷を負わせ、ショーケースを工具でこじ開けて2億円相当のティアラなどを奪ったとしている。
2人は07年4〜5月、チェコの偽造旅券でフランスから入国。事件直後に成田空港からフランスに出国した。日本に滞在中は都内のホテルなどを転々としており、資金面を支援するグループがあるとみている。近くの店舗の防犯カメラ映像や出入国記録などから容疑が浮上。2人が03年にスペインで起きた強盗事件に関与して逮捕されていたことが分かり、ICPO(国際刑事警察機構)への照会などで身元を特定した。
組対2課によると、ピンクパンサーは旧ユーゴスラビア出身者ら約150〜200人で組織。99年以降、19カ国で136億円相当の宝石強盗を重ねているという。【佐々木洋】
【関連ニュース】
強盗致傷:母と息子ら7人逮捕 出会い系で男性狙う 愛知
銃刀法違反:「派遣切りで強盗しようと」包丁隠し持ち逮捕
強盗:4人組が携帯40台と現金160万円 東京・豊島
強盗未遂:郵便局で警官発砲 37歳容疑者逮捕 埼玉
自動車強盗:2人組が追突後にスプレー、外車盗む 名古屋