桜井淳所長の最近の講演内容-日本の原子力開発の中枢機関はどこか 2-
テーマ:ブログ【講演要旨】私(桜井淳所長)は、いくつかの座標系(東大、原研、原子力学会、安解所、原産)から物事を眺めてきたため、相対的には、比較的、客観的な視点を持っていると思いますので、原研と動燃の相互比較の前に、触れておかなければならないことがあり、ひとつは、東大の社会的影響力の大きさであり、もうひとつは、研究とは何か・技術開発とは何か・実証試験とは何かということで、まず前者の問題の東大の社会的影響力について説明すると、東大に原子力工学科があろうがなかろうか、その施設規模・予算・人員に関係なく、東大全体の先生方には、政府委員会・学会委員会等、あらゆる委員会で絶大な権力が与えられており、日本の原子力行政と方向を左右するほど大きな力を有し、施設規模・予算・人員で圧倒的に優る原研や動燃よりも、はるかに大きな権力を行使しており、つぎに後者の問題について、科学技術庁は、原研の組織名には、"研究"という表現を用いていますが、意識的に、動燃には研究と言う表現を絶対使わせないようにしており、さらに、動燃を解体して改組して創設した組織名についても、徹底的にこだわり、絶対に研究という表現を使わせず、"開発"という表現にこだわり、核燃料サイクル開発機構とし、さらに、当時の通産省は、研究や開発という表現すら使わせず、"実証試験"という表現にこだわり、科学技術庁との分担の相違を明確に世の中に示していましたが、これらの事実関係について、世の中の皆さんは、ご存知であろうか、この件は、傍目にはどうでもよいことのように映りますが、座標系を変えて、行政側の運用の視点から眺めれば、研究・開発・実証試験という分類・表現には、非常に本質的な問題になります(続き、次回)。
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