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2009年2月5日

 酪農家の苦労と喜びを伝える「丑(うし)年だから農業万歳」の文章を「地鳴り」欄で読んだ。500キロもの乳牛の出産場面はドラマのようだった

先日「酪農の廃業続出」の記事を見たばかりである。飼料の高騰で経営が立ち行かず廃業に追い込まれる酪農家が続出。このままでは「牛乳がスーパーの店頭から消える日もある」と警告していた

北陸の農業を語る会合に出席した時の一幕を思い出す。参加者にコーヒーが出された。しばらくして能登の酪農家が発言した。「こんな席では牛乳を出してほしい」と。日本酒メーカーのパーティーにビールを出すような無神経さに気づいた

「地産地消」の掛け声があふれている。が、消費拡大のきめ細かな配慮や具体策は、どこまでなされているのか疑問に思った。以来、酪農家へのささやかな応援のつもりで朝のミルクを飲む。一般消費の拡大策もこれに似て、だれにもできることがいくらもあるのではないか

酪農の原点は、土づくりと草づくりだと言う。折からの雇用不安で農林業に人材が集まりはじめている。災い転じて「人づくり」の好機になれば幸いだが…。


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