広島放送局

2009年2月5日 19時4分更新

強制退去処分 高裁訴え退ける


留学の資格で日本に滞在していたのにホステスとして働き、強制退去処分を受けた中国人の女性が、「学業に支障はなく処分は違法だ」と訴えた裁判で、5日、広島高等裁判所は「もっぱら資格外の活動を行っていた」として原告の主張を認めた1審判決を取り消し、訴えを退ける判決を言い渡しました。訴えを起こしていたのは、8年前に来日した後、広島市内の大学に入学し、留学の資格で滞在していた32歳の中国人女性です。
この女性は3年前に夜間、飲食店でホステスとして働いていたところを広島入国管理局に摘発され強制退去処分を受けましたが、「学業に支障はなく処分は違法だ」と訴えて、国に処分を取り消すよう求めていました。
1審は「勉学をないがしろにしていた事情は認められない」として訴えを認め、強制退去処分を取り消したため国が控訴していました。5日の判決で広島高等裁判所の廣田聰裁判長は「ホステスとして総額500万円以上の収入があったほか、多額の蓄財まで行っていた。日本滞在の目的が実質的に変更されたというべきであり、もっぱら資格外活動を行っていたと言える」として、1審判決を取り消し、訴えを退ける判決を言い渡しました。これについて原告の弁護士は「上告を検討したい」と話しています。