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久司道夫氏が癌になったことに思う

Why the Kushi's Have Cancerによると、マクロビオティックの世界的指導者である久司道夫氏が癌であったという。(*1)

これには驚いた。なぜ? とも思った。真偽のほどは定かではないが「久司氏は長年煙草を吸い、コーヒーを飲んでいた」と前述の記事にあったから、それが原因かもしれないと考えたりもした。

本当に煙草やコーヒーを飲んでいたのだとすれば、それは確かに少しがっかりだ。だがそう感じるのは、生徒が先生に完全な聖人であることを望むような、押しつけがましい思いなのかもしれない。

久司氏が癌であると知って受けたショックはすぐに流れ去った。きっと何か意味があるのだ。久司氏でさえ病気になったということが人間的でもあると感じ、どこか安心もした。

誰だって、いつかは死ぬのだよなあ。病気にだって、ならないで終われるかもしれないけれど、なるときはなるんだよなあ。たとえマクロビオティックを実践していても。

マクロビオティックを実践しさえすれば病気にならないと思いこんでいるのは苦しいことだ。ちょっとでも体調を崩せば、自分を責めてしまう。「病気になりたくない」が、いつの間にか「絶対病気になってはいけない」に変わっていく。

でも久司氏が病気になったのなら、少し気が楽になる。緊張がほぐれる。久司氏はきっとその運命を受け入れ、マクロビオティックとともにおおらかに生きているのだろう。桜沢氏も言っている。『食養をやったところで、どうせ百年も生きのびるものではないのです。(略)自然に逆らうことはないじゃありませんか。まだ生かしてやろうと思えば生かしてくれるでしょう。もう死なせてやろうと思えば死なせてくれるでしょう。』(*2)

それに、たとえいつか病気になるかもしれなくても、マクロビオティックの価値は少しも減じはしない。癌やその他の難病をマクロビオティックで治す人々がいるのもまた事実なのだ。

マクロビオティックの知恵を食事に取り入れて、私の体調は確実に良くなった。下痢も便秘もしなくなったし、月経周期もととのったし、アトピーの湿疹もほとんど出なくなった。ガスも出ないし、便が臭くないし、目が充血しにくくなった。何より、頭が冴えて、めらめらと心に情熱が燃え、直感がバシバシはたらくようになった。

マクロビオティックをやれば、生きている時間は輝く。より多くのことに、情熱的な気持ちで取り組めるのだ。

寿命がたとえマクロビオティックをやるのとやらないのとで変わらないとしても、マクロビオティックをやらなければ、私の場合いつも下痢ぎみ便秘ぎみで月経周期も乱れてアトピーに苦しみ、ガスが出て便も臭く目が充血しやすくて頭がぼんやりした人生を送ることになる。

同じ年数でも、その内容は大違いだ。

人間、どうせ、最後にゃ死ぬんだ! だからマクロビオティックをやるのか? やらないのか?

私は、マクロビオティックを選ぶ。限られた人生だからこそ、その時間を精一杯有効に使うために、マクロビオティックを実践するのだ。

癌だって、なってしまったならその引き換えに得るものがあるはずなのだ。だから一概に忌み嫌う必要もない。陰あれば陽あり。病気になるからこそ、人生を愛おしむ心が生まれる。それを教えてくれたのも、マクロビオティックだ。(*3)

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*1A message On behalf of Michio Kushi (about his health)によると、大腸の腫瘍は取り除かれてその手術はうまくいったと2004年10月の時点で報告されているし、久司氏は健在であるので、現時点では完治しているのかもしれない。

*2桜沢如一著『食養人生読本』p.130,131

*3人生哲学としての無双原理について、詳しくは『無双原理で楽しく生きる?』シリーズ参照
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