18日から運用が始まる県のドクターヘリが4日、基地となる前橋赤十字病院(前橋市朝日町)で報道陣に公開された。現在、全国14道府県で16機が稼働しており、群馬が17機目となる。
ドクターヘリは、119番通報を受けた各地域の消防本部が出動を要請。同院から救急専門医師や看護師を乗せ、現場近くまで飛ぶ。同時に地元消防本部の救急車も現場に向かう。
ヘリは時速約200キロで飛び、県内は遠い場所でも20分以内に到着する。着陸できるスペースがない場合は、各消防本部ごとにあらかじめ定められた場所(ランデブーポイント)まで救急車が搬送し、ヘリに引き継ぐ。
同院の中野実・高度救命救急センター長は「ドクターヘリは、病人やけが人を早く遠くに運ぶ道具ではない。医師や医療器材を運び高度な治療を開始するための、空飛ぶ救命救急センターだ」と強調した。
出動要請は、119番通報する人ではなく、通報を受けた消防本部が判断して行う。中野センター長は「他県でも出動の3割は途中でキャンセルになる。消防がためらわずに出動要請できるか、また、いかに多くのランデブーポイントを確保できるかが成否のカギ」と述べた。
運行は原則、午前8時45分~午後5時半。日没直前や視界不良の時や、強風時は飛べない。現在、各地区消防本部との訓練を行っており、この日も伊勢崎やみなかみ方面に飛び立った。【塩崎崇】
毎日新聞 2009年2月5日 地方版