塙町の「塙厚生病院」(佐川恵一院長)で4月から産婦人科の常勤医が1人に減り、分娩(ぶんべん)受け入れが困難になるため、同町の対策協議会が4日、医療体制堅持を求める署名活動をスタートした。町内の全3000世帯を対象にする。同病院は東白川郡で唯一、分娩に対応しており、町側は病院を運営するJA福島厚生連などに要請していく。
町などによると、同病院産婦人科は現在2人の常勤医師がいるが、4月の異動に伴い、県立医大から派遣されている医師1人が転勤する。病院側からは「残る1人では分娩に対応できない」と連絡があったという。同病院は07年度で、185件の分娩を取り扱っていた。
「町婦人団体連絡協議会」(金沢寿子会長)をはじめ、町や町議会などは「対策協」を発足。「近隣に産婦人科病院や医院がなく、2名体制を堅持すること」などと記した要請書を作り、署名呼びかけを始めた。行政区長連合会を通じて各世帯に回し、今月中に取りまとめる。署名は厚生連などに提出し、県立医大への働きかけも求めていく予定。
医師不足に加え、県立大野病院事故で「1人医長体制」が問題になり、産科医療の環境は厳しさが増している。【和泉清充】
毎日新聞 2009年2月5日 地方版