麻生首相が「定額給付金を受け取らない」と2日の自民党役員会で発言していたことを、党幹部が朝日新聞の取材に明らかにした。首相は5日の衆院予算委員会で「明言したことはない」と否定したが、首相の発言をめぐる迷走問題がまたもや浮かび上がった形だ。
党役員会に出席していた党幹部の一人によると、首相は出席者から給付金を受け取るかどうかを聞かれ、いったんは「まだ決めていない」と答えた。しかし、「はっきりした方がいい」と重ねて促されると、小声で「おれはもらわない。最初から受け取らないと決めている」と話した、という。
この発言が一部で報道されたことを踏まえ、民主党の川内博史氏が予算委でただした。首相は「何が問題なのかよくわからないが、そのような事実はない」と述べた。
首相は昨年11月、「元々受け取る気はない」と明言、12月には高額所得者が給付金をもらうことについて「さもしい」とも語った。ところが与野党から反発を受けて今年1月には発言を事実上撤回し、「地方に配分される段階で判断する」と述べていた。