ローティーン向け女性誌のモデルからタレントに転身し、ドラマやバラエティー番組などで幅広く活躍する大沢あかねさんが4日、自伝「母ひとり、娘ひとり」(幻冬舎、1300円)を刊行した。パワフルでコミカルな母親との23年間が、赤裸々につづられている。大沢さんに話を聞いた。
執筆のきっかけは、芸能人が出版企画を編集者に提示するバラエティ番組「印税スター!誕生」(フジテレビ系)だった。当初はどこまで書くかで周囲がもめて「(口をはさむスタッフに)あなたが書いて」と怒ったこともあったという。一方で、母親からは特に指示らしいものはなく、執筆前に「年齢だけは書かんといて」とくぎを刺されただけだったという。携帯メールなどを使って約4カ月で描き上げた。
「天才てれびくんワイド」(NHK)の人気子役からモデルへ、モデルからタレントへ。転機の度にあかねさんをパワフルに引っ張る母親との関係は、親子というより親友や同志のようだ。執筆にあたって母親も取材し「より(母子の関係が)縮まった気がします」と大沢さん。幼少期、母親の勤め先であるスナックやクラブで送った日々や、モデル時代、華やかな表舞台とは対照的に、都内の狭いアパートで母子2人で身を寄せ合って暮らす様子などが、包み隠さず書かれている。当時を振り返って大沢さんは「そういう環境であっても母には愛があったので、本当にぶれることなく、私も育ってきたつもりなんですね。その環境が楽しかったっていうか」と明るく語る。
「大沢親分」こと元日本ハム監督の大沢啓二さんの孫としても知られる大沢さん。昔から仲がよく、カラオケでは「いつでも夢を」をデュエットし、時にはテレビ番組の発言などで「喝」を入れらることもあるという。しかし「祖父の七光り」を笠に着ず、試行錯誤を繰り返しながら正々堂々と芸能界で生きていく姿が印象的だ。「確かに(仕事の)ブッキングなどで有利なことはあります。でもブッキングしてくれたそのステージからは私のものなので、そこでおじいちゃんの名前を出したからって、(失敗すれば)次はないと思うし」と勝気な一面をのぞかせる。
恋愛についても、過去から現在進行形のものまで、赤裸々につづられている。大沢親分からは「野球選手以外ならいい」とアドバイスをもらったという。公私ともに充実した様子で、今後は「女優もバラエティーも両方やっていきたい」と抱負を語った。【長岡平助】
2009年2月5日