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大阪府、転院先探しや在宅支援
救急搬送された妊婦の受け入れを、病院側が新生児集中治療室(NICU)の満床を理由に断るケースが頻発し、問題になっている。こうした事態を解消しようと、大阪府は他の地域に先駆け、NICUなどに長期入院している子どもを在宅療養に向けて退院させたり、地域の医療機関などへ転院させたりするためのコーディネーター(調整役)を、新年度から配置することを決めた。府は「子どもを追い出すのではなく、成長に適した療養環境を整えたい」としている。 (古岡三枝子、安藤二郎)
府によると、府内にはNICUが約210床あり、ほぼ満床の状態が続いているという。2008年2月の調査では、NICUに1年以上入院していた子どもは3人、併設する回復期治療室(GCU)には8人、小児科病床には47人がいた。このうち、病院側が引き続き入院の必要があると判断したのは3人。12人は1か月以内の退院予定だったが、残る43人は退院が可能なものの、「受け入れ先が見つからない」などの理由で入院を続けていた。 コーディネーターは、こうした退院が可能な子どもについて、地域の医療機関などへ転院できるように受け入れ先を探したり、親が在宅を希望する場合は、どんなサービスが利用できるかといった情報を集めて提供したりする。コーディネーターには看護師らを想定しており、府内の基幹病院に業務を委託する予定だ。 現状では転院・退院は、病院ごとのソーシャルワーカーらが家族の相談を受けている。あるソーシャルワーカーは「在宅で子どもの世話をしたくても、生活のために共働きをやめられない家族もいる。障害児施設はほとんどが定員に達しており、病院だけの対応では限界がある」と話す。 府健康づくり課は「長期入院児を地域や在宅に移行していく仕組みを作ることで、NICUの空床確保につなげ、緊急時に対応できるようにしたい」としている。 NICUの長期入院児対策については、厚生労働省も重視。08年度から都道府県がコーディネーターを配置した場合、1人分に限り人件費の3分の1を補助することを決め、通知していた。しかし「1人の配置では効果が疑問」などの理由から、導入する自治体はなかった。大阪府は新年度当初予算案に事業費として約550万円を計上する。 同省の調べでは、07年度に全国74の総合周産期母子医療センターの73%が妊婦の救急搬送を断ったことがあり、うち93%が「NICUの満床」(複数回答)を理由に挙げていた。 多田裕・東邦大名誉教授(新生児学)は「コーディネーターには、親たちへのサポートを期待したい。しかし退院後の子どもの受け皿が不足しているという問題がある。施設は足りず、在宅での支援体制も十分ではない。子どもの療養環境の質を高める、という視点から長期入院児対策に取り組まなければいけない」と指摘する。 (2009年2月5日 読売新聞)
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