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浅間山:噴火なく小康状態 推移見守る関係者ら 鬼押ハイウェー通行止め解除 /群馬

 浅間山の活動は3日、噴火が観測されず火山性地震も減少するなど小康状態に入った。火口から4キロ以内の立ち入りを規制する噴火警戒レベル3は続いているが、嬬恋村は災害対策本部を警戒本部に移行、鬼押ハイウェーの通行止めを解除した。また、大澤正明知事が同村や降灰のあった下仁田町などを視察。関係者らは「このまま沈静化してくれれば」と、火山活動の推移を慎重に見守っている。【伊澤拓也】

 気象庁は同日、浅間山について「噴火が切迫していることを示す活動はほとんど認められない」として、小康状態に入ったことを発表した。同庁によると、2日未明の小規模噴火以降、噴煙や火山ガス放出量は依然として多いが、傾斜変化や火山性地震の活動はほとんどなくなった。ただ、再び噴火する可能性もあるため、火口から4キロ以内の立ち入りを規制する噴火警戒レベル3を継続している。

 この発表に基づき、嬬恋村は午前9時41分に災害対策本部(熊川栄村長)を解散し、新たに災害警戒本部(丸山功市副村長)を設置。本部の人員も約30人から10人に縮小した。また、鬼押ハイウェーの「峰の茶屋」から料金所手前の町道大笹北軽井沢交差点までの約10キロ区間の通行規制を、同10時に解除した。

 長野原町も鬼押ハイウェーへの接続道路の通行を再開した。噴火警戒レベル3が続いているため、災害警戒本部は維持している。

 ◇大澤知事、嬬恋・下仁田など視察 ブロッコリー畑に被害

 一方、大澤知事は3日、長野原町役場と嬬恋村役場を訪れ職員を激励、現状の説明を受けた。さらに、降灰で被害が出た下仁田町馬山、農業、松浦貞夫さん(57)のブロッコリー畑を視察した。

 10アールに栽培された約3500本のブロッコリーは収穫直前だったが、食用の花芽の部分に灰が入り、水で洗っても落ちないため、すべて出荷できなくなった。損害は約30万~40万円に上るという。松浦さんは「露地栽培は自然任せ。災害は覚悟の上だが残念。県や町がどのように対応してくれるか気になる」と話した。

 視察後、知事は「担当課と協議して(何ができるか)取り組んでいきたい」と述べた。

 富岡地区農業指導センターによると、ブロッコリー畑の降灰量は1平方メートル当たりの収集量を10アールに換算すると約140キログラム。簡易測定では、灰はpH5の弱酸性で量も少ないことから、土壌への影響はほとんどないとみている。同センターは同日、まとまった降灰が観測された富岡市吉田地区や下仁田町馬山周辺など計6地点で灰のサンプルを収集、県技術支援課を通じて分析機関に送った。

 一方、同センターによると、一部で被害が出たものの、農作物は露地物が少ない時期。両市町で栽培する特産の下仁田ネギはほぼ出荷が終わり、ホウレンソウも出荷末期という。出荷可能な野菜については、農家が出荷の際に灰を風で吹き飛ばしたり水をかけて洗い流し、灰が付着していないかチェック。さらに、JAで再チェックするという。

 同センターの狩野伸雄生産指導係長は「雨が降らなかったから、灰が作物に付着して固まらず、被害が小さくてすんだ」と話した。下仁田町馬山で下仁田ネギの生産販売をしている女性は「ネギは全部収穫したから大丈夫。灰も心配ない」と話していた。【畑広志】

毎日新聞 2009年2月4日 地方版

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