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丸井今井:再生法申請(その2止) 負債額、「札幌そごう」上回る /北海道

 ◇道内小売業で過去最大

 民間信用調査機関の帝国データバンク札幌支店によると、丸井今井の負債額(502億円)は、00年7月に破綻(はたん)した「札幌そごう」の負債額(496億円)を上回り、道内小売業として過去最大。そごうは00年末の閉店後、全従業員534人を解雇するなど道内経済に波紋を広げた。

 一方、全業種では15番目の負債額だった。道内の大型倒産は、旧北海道拓殖銀行の関連会社「たくぎん保証」(98年3月自己破産、負債額6100億円)を筆頭に、拓銀破綻(97年11月)に伴うものが上位を占め、時期も97~98年に集中。拓銀がメーンバンクだった丸井今井も経営危機に追い込まれたが、道や道選出国会議員が水面下で動き、難を免れた経緯がある。自民党の道選出国会議員の1人は「当時はいろいろ動いたが……。やはり持たなかったか」と言葉少なに語った。【横田愛】

 ◇社長「努力不足だった」--経営陣一問一答

 丸井今井の畑中幸一社長らは29日夕、北海道経済記者クラブ(札幌市中央区)で会見した。会見の一問一答は以下の通り。

  ◇  ◇  ◇

--なぜ法的整理を選んだのか

 今までに2度、金融支援を受けて今日に至った。3度目はハードルが高い(橋本昭夫弁護士)

--いつの時点で法的整理を決断したのか

 12日に(同社幹部から)「思っていたよりも業績が下がった。資金が回らない。法的整理を相談したい」とのアプローチがあった(同)

--債権者から事前に理解を得たのか

 正式決定が本日(29日)。全く話をしていない(小林敏彦常務)

--営業戦略が失敗したと思うか

 リモデル(業務形態の見直し)のスピードが狂うなど、いろいろな読み違いがあった。失敗と言わざるをえない(同)

 前々から言われているが、努力不足もあった。最高級ブランド品と婦人服の売り上げが急激に落ちた(畑中社長)

--経営陣の交代は考えているか

 きちんとした道筋をつけて責任を取るということになる(橋本弁護士)

--経営再建の見通しは

 経費を圧縮する。大きなリモデルでばくちを打つ時期ではない(小林常務)

--従業員はどうなるのか

 削減を考えないといけない。各店が生き残るために聖域はない(同)

--各店の閉鎖は

 もっぱら閉鎖を視野にというわけではなく、存続、閉鎖、事業譲渡を含めて検討していく(橋本弁護士)

--まちづくりにかかわる自治体との協議は

 ただちに報告して影響を最小限にとどめたい(同)

--伊勢丹の協力によるリモデルの効果はあったのか

 パーフェクトかと言えばそうではない。無駄かと言えばそうでもない(小林常務)

--今後の伊勢丹のかかわり方は

 まずはスポンサーになってほしい。伊勢丹側からは「さっそく検討に入る」との言葉をもらった(橋本弁護士)

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 《丸井今井の歩み》

1872年 今井藤七氏が札幌で小間物店「今井呉服店」創業(以後、小樽、室蘭、函館、旭川に開業)

1916  札幌で百貨店を開業

  19  株式会社化し商号を今井商店に変更

  50  丸井今井に商号変更

  75  札幌本店大通館オープン

  88  今井春雄氏が社長就任。経営多角化

      89年1月期に年商1000億円台を達成

  95  苫小牧店オープン

  96  旧丸三鶴屋の経営権を取得し釧路出店

  97  拓銀破綻により経営不安が表面化。今井氏を解任し柴田哲治専務が社長就任

  98  自主再建計画を策定

2005  会社分割などで2度目の経営再建へ。伊勢丹が支援。柴田氏が辞任し、関連会社社長の畑中幸一氏が社長就任。小樽、苫小牧両店が閉店

  06  釧路店閉店

  08  08年1月期で、2度目の再建後初の赤字になったと発表。中間決算でも赤字

  09  民事再生法適用を申請し、手続き開始決定

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 ■道内・小売業者の大型倒産■

   社名       (倒産時期)    負債額(百万円)

(1)丸井今井    (09年1月) 50,213

(2)札幌そごう   (00年7月) 49,600

(3)そうご電器   (02年2月) 30,600

(4)ブルーハウス  (97年1月) 23,840

(5)はるやまチェーン(01年9月) 12,816

 ※帝国データバンク調べ

毎日新聞 2009年1月30日 地方版

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